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  • 2016/09/30 掲載

専門性の高い「医療分野」のコミュニケーションで、なぜPepperは活躍できるのか?

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東京都 豊洲で健診と内科・婦人科・心療内科の外来診療を行う大手町さくらクリニック in 豊洲では、近年、受診者が増加傾向にある乳がん検診に課題を抱えていた。検査結果報告の時間を短縮するためには受診者に乳がんの予備知識を持ってもらうことが重要と考えた同クリニックで導入されたのが、Pepper法人向けサービス「Pepper for Biz」とロボアプリ(Pepper専用に開発されたアプリ)の「Smart at robo for Pepper」だ。
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大手町さくらクリニック in 豊洲
院長
西山 寿子 医師
「Pepperを集客や子供の遊び相手として活用しようという考えは最初からありませんでした」

 そう語るのは大手町さくらクリニック in 豊洲の院長、西山医師。東京都 豊洲で健診と内科・婦人科・心療内科の外来診療を行う同クリニックでは、近年、受診者が増加傾向にある乳がん検診に課題を抱えていた。

「最近は、北斗晶さんや小林麻央さんなど有名人の乳がん発見が相次いで報じられたこともあり乳がんが注目されています。そのため乳がん検査の受診者数は年々増えているのですが、その半面、乳がんに関する正しい知識の浸透はできておらず、検査予約時や検査結果報告時には受診者から検査内容や検査結果、さらには乳がんそのものについて多くの質問を受けることがあり、診療時間を圧迫していました」(西山医師)

 そこで西山医師は、検査結果報告の時間を短縮するためには受診者に乳がんの予備知識を持ってもらうことが重要と考え、Pepper法人向けサービス「Pepper for Biz」とロボアプリ(Pepper専用に開発されたアプリ)の「Smart at robo for Pepper」を導入。

 乳がん検査受診者が、検査の種類とその受診方法そして診断画像の見方など、乳がん検査の説明をPepperから聞くことができるようにした。それにより検査結果報告に割く時間が短縮。同クリニックでは検査結果報告をお昼休みの13時~14時半の中で行っており、1人あたり5分の予約制で1日12人の予約を受け付けている。時間通りに進めば14時に終わるのだが、Pepper導入前は午後の外来診療が始まる14時半までかかり、昼食をとらずに午後の診療を行わなければならないことが頻繁にあった。それが今では予約通り対応でき30分の休憩がとれるようになった。

「内容を理解するまで何度も同じ説明を聞く方もいます。Pepper導入前は私が説明していましたから理解できなくても遠慮して聞き返せない方もいたと思いますが、Pepperだと遠慮することなく画像を交えた説明を繰り返し聞くことができるので、理解度は高まっているんじゃないかと思います」(西山医師)

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乳がん診断画像の説明をするPepper

 さらに乳がん検査に関する事前説明をPepperが行うことのメリットを西山医師はこうも話す。

「検査の事前説明や乳がんに関する知識を受診者の方にお伝えする事は医師として欠かせませんが、日々同じ内容を説明する中で説明不足な箇所があったり、人によって理解の仕方が違ったりもします。それをPepperが担当することで同じ内容を正確に説明するため、受診者の結果に対する納得度も向上したように思います」(西山医師)

コンテンツは西山医師自身で作成

 「Smart at robo for Pepper」はブラウザ上で簡単にコンテンツを作成できることも導入理由の1つとなった。Pepperの胸のタブレットに表示する画像をアップロードし、その画像が表示されている時のPepperのセリフを入力するだけでコンテンツが完成する。

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Smart at roboのコンテンツ作成画面
西山医師は1コンテンツを30分で作成している

「私が作りたかったコンテンツは専門性が高く、医療用語や外部に出したくない診断画像データも多く含まれています。それを外注すると、内容説明や確認に時間がかかり、画像データ流用のリスクもあるので、自分でコンテンツを作成できるアプリを探していました。『Smart at robo for Pepper』はプログラム言語を覚える必要なく作成できるので助かっています。作成時間も30分あればできますよ」(西山医師)

なぜPepperだったのか

 同クリニックの取り組みは、画像に音声を当て込む簡単な動画編集スキルさえ覚えてしまえばパソコンやタブレットでも実現可能だ。その中で、ロボアプリ利用料込で月10万円以上のコストをかけてまで「Pepper for Biz」を導入した理由は、コンテンツ作成の容易さや人型ロボットの親しみやすさだけではない。

「パソコンやタブレットは、それらの操作に不慣れな人も少なくありません。結局その操作説明のためにスタッフが1人ついていないと利用できないと考えました。Pepperは次に何を操作すればよいかもしゃべって案内してくれるのでその点も大きなメリットです」(西山医師)

【次ページ】「ロボピッチ」で乳がん検査の啓発
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