- スペシャル
- 2015/09/24 掲載
ユーザーはOracle DatabaseとSAPの組み合わせを望んでいる SAPでのインメモリDB最適解(2/2)
- ありがとうございます!
- いいね!した記事一覧をみる
DBIMの導入は簡単、クエリーの種類や圧縮タイプで効果に差が出る

プラットフォームソフトウェア事業本部ISVセンター
(兼) 富士通-SAPコンピテンスセンター
河原 哲也 氏
DBIMの導入は極めて簡単で、「事前にオラクル側から特別なレクチャーを受けることなく、渡された資料だけでDBIMを導入したが、時間はほとんどかからなかった」と河原氏は振り返る。
実際の導入手順は、DBIMで効果が出るデータを見極め、DBIMの設定を行うだけでよい。前者にはDBIMアドバイザを活用できる。 DBIMアドバイザの導入はSBPに含まれるインストール用SQLを実行するだけで済む。アドバイザを実行すると、クエリーの性能改善効果やインメモリ・カラム・ストアのサイズが分かる。
DBIMに関する初期化パラメータはわずか3つで、そのうちの1つにはインメモリ・カラム・ストアのサイズを記入し、残り2つにはSAPの推奨値を記入し、初期化パラメータの反映にデータベースを再起動する。DBIMアドバイザで自動生成されたSQLを実行するだけで対象テーブルのインメモリ化が終了する。
河原氏はDBIMの効果が出やすいクエリーとそうでないものがあるので見極めが重要であると指摘する。たとえばSORT GROUP BYやHASH JOINなど、CPUに依存するクエリーはDBIMの効果は薄い。一方、処理の大半がI/Oであれば、ディスクI/OがゼロになるDBIMは極めて効果が高い。
また圧縮タイプの選定も重要だ。圧縮率が高いとインメモリ・カラム・ストアのサイズが小さくなるが、ディスクからメモリにデータを載せる処理(ポピュレーション)に時間がかかるため、更新が多いテーブルでは圧縮にかかるオーバーヘッドに注意が必要である。圧縮タイプは無圧縮を含めて6種類用意されているが、クエリーが最速になるのは中間に位置する2つの圧縮率のエリアだ。

オラクルソリューションセンター
古渡 大輔 氏
10億件のデータが格納されたアドオンテーブル(未圧縮で約198GB)の検索結果を、通常のディスクとDBIMで比較するデモを行った。ディスク上のテーブルで4分21秒かかったのに対して、DBIMでは8秒弱で完了した。
また、参考データとして、米オラクルで実施したSAP BWでの検証結果も示された。4種類のクエリーを実行した結果、最大の効果が出たクエリーで1402倍、最小で3.7倍DBIMが高速となった。これは、河原氏の「DBIMの効果が出やすいクエリーとそうでないものがある」という前述の発言を裏付けるものとなった。
セミナーでは100名を越える受講者が熱心に耳を傾けており、ユーザー企業のSAP on Oracleへの関心の高さが伺われるものとなった。当日の講演資料は同社サイトで公開されている。
関連コンテンツ
PR
PR
PR