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  • 2024/05/09 掲載
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かつて技術大国と呼ばれた日本は今、国際競争力の低下・収益力不足・サイバーセキュリティ対策・IT自給率低下・安全保障などの「国難」に直面している。その課題解決には、IT技術と産業そのものを生み出す人材の育成が不可欠であり、組織には、自由な技術開発・試行錯誤を阻害しない環境作りが求められている。そこで、NTT東日本 特殊局員やIPA サイバー技術研究室長務めるITのスペシャリスト登 大遊氏に、どうすれば日本が米国・中国と同等以上の豊かさを実現できるのか、その解決策を聞いた。

IT分野に迫る日本の「国難」

 NTT東日本(東日本電信電話)は、さまざまなICT関連のサービスを提供する先導的な企業だ。光ファイバをはじめとする通信サービスほか、ICTによるトータルなビジネスソリューションを提供する。

 また、IPA(情報処理推進機構)は、日本のIT発展をミッションとする経済産業省所管の独立行政法人だ。社会におけるIT活用・貢献の指針を提供するとともに、IT専門家の育成や情報セキュリティ向上にも注力している。

 登氏は2018年よりIPA サイバー技術研究室長、2020年よりNTT東日本本社 特殊局員、さらに2022年より筑波大学 客員教授に就任。ITのスペシャリストとして活躍する。

 そんな登氏は、日本が抱えるIT分野の課題として、次の2点を懸念している。
  • 短期的な課題:
    各組織におけるIT人材不足・リテラシー不足

  • 中長期的な課題:
    OS、クラウド、通信、セキュリティ、ゼロトラストなどのシステム・ソフトウェア技術や産業(プラットフォーマー)を自ら生み出せるICT人材の育成
「短期的な課題は直近5~10年ほど、中長期的な課題は今後10年以降(2030~2040年)を見据えて、対策を講じる必要があります。中長期的な課題についてはまさに、日本の国難についての話です」(登氏)

 では、日本はどのようにしてこの国難を乗り越えていくべきなのだろうか。ポイントは、組織における「黙認」の文化だ。

この記事の続き >>

  • ・解決すべき日本の「国家的課題」とは
    ・組織の復活につながる「黙認」文化
    ・日本が世界にリードできるデジタル技術の例

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