- 2025/03/31 掲載
鉱工業生産2月は4カ月ぶり上昇、基調は弱く「一進一退」=経産省
Tetsushi Kajimoto
[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比2.5%上昇となり、4カ月ぶりにプラスに転じた。ロイターの事前予測調査の同2.3%上昇を上回った。生産用機械、電子部品・デバイス、化学工業がけん引した。
生産予測指数は3月が前月比0.6%上昇、4月が同0.1%上昇となった。いずれも、生産用機械、化学工業、石油製品工業が上昇業種となる見通し。
経産省は生産の基調判断を「一進一退」として据え置いた。昨年7月の判断をそれまでの「一進一退ながら弱含み」から上方修正して以来、8カ月連続で同じ表現としている。
経産省幹部は「生産は決して強くない。海外経済の不確実性を反映した需要面の動向が要因で、上に抜けきれない状況が続いている」と述べた。
トランプ米大統領の関税政策の影響については、生産関連で何か影響を受けたとの声はまだ聞いていないものの、「今後はなお一層注視していく」とした。
日本国内では、愛知県のばねメーカーで、3月6日に起きた爆発事故の影響で、自動車部品の供給不足が続いている。事故の影響は3月10日以降の生産計画に出てくる可能性があり、同幹部は生産予測値についても幅をもって「なお注視する必要がある」と指摘した。
農林中金総合研究所の理事研究員の南武志氏は、2月のリバウンドは強くはなかったと指摘。1─2月を均すと12月より0.2ポイント高いが、10─12月平均と比べて0.6ポイント低下傾向だという。
「全体的に見てどの業種も底ばいでパッとしない。期待されたAI関連の電子部品・デバイス、半導体製造装置需要も明確に上昇傾向にあるわけでない」とし、今後生産の基調が年央に向け、どの程度下方修正され、日本銀行の利上げにどう影響するか「注目したい」とした。
*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。
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