ＮＹ市場サマリー（26日）ドル上昇、利回り小幅高　Ｓ＆Ｐ・ナスダック急反落

＜為替＞ ドルが対ユーロで３週間ぶり高値を付けたほか、対円でも上昇した。トランプ米大統領の自動車関税に関する発表に身構える動きとなった。 ホワイトハウスによると、トランプ大統領は米東部時間２６日午後４時に自動車関税について発表する見通し。 スタンダード・チャータードのグローバルＧ１０ＦＸリサーチ・北米マクロ戦略責任者、スティーブ・エングランダー氏は「誰もが関税に関する動向を見極めようとしている」とした上で、発表される内容が市場が見込む以上にタカ派となるリスクもあるという認識を示した。 トランプ大統領はこれまでに米国に輸入される自動車に対し２５％程度の関税を課すほか、４月２日には相互関税を発動すると表明している。 ユーロ／ドルは一時、５日以来の安値となる１．０７５ドルに沈んだ。その後は０．３２％安の１．０７５７ドル近辺で推移した。 朝方発表された２月の米耐久財受注が前月比０．９％増と、予想外に増加したこともドルへの追い風となった。 ドル／円は０．４２％安の１５０．５円。 日銀の植田和男総裁は２６日、高騰が続く食品価格について、外食などへの波及が続き、サービス価格が引き上げやすくなるなど、インフレが経済に広がる可能性があれば「利上げで対応することも考えないといけない」と述べた。 日銀の小枝淳子審議委員も就任会見で、日銀が目指す「賃金と物価の好循環」は「ステップが確認されてきている」と評価する一方で、物価動向については、足元のインフレが基調インフレを上回って推移しているが、４月３０日―５月１日の金融政策決定会合までに「いろいろデータを見ていきたい」と話すにとどめた。 ポンド／ドルは一時２週間ぶり安値を付けた後、終盤の取引では０．４６％安の１．２８８４ドル。 英国立統計局（ＯＮＳ）が発表した２月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は前年比上昇率が２．８％と、予想以上に鈍化した。 リーブス財務相が、財政目標を達成する道筋を明確化するため、歳出増加計画を圧縮する方針を示したことにも反応した。 暗号資産（仮想通貨）のビットコインは１．５３％安の８万６５４８ドル。

ＮＹ外為市場：[USD/J]

＜債券＞ 国債利回りが小幅上昇した。投資家がトランプ米大統領の関税巡る発言を注視する中、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）当局者が利下げに忍耐強い姿勢を示したことを受けた。 トランプ氏が２６日夕に自動車業界への関税を巡り発表すると明らかにしたため、不確実性が再び市場を揺るがした。 指標となる１０年国債利回りは３．５ベーシスポイント（ｂｐ）上昇の４．３４％となった。２年債利回りは１ＢＰ上昇の４．０１％だった。 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は２６日、現状を考慮するとＦＲＢが利下げを急ぐ必要はないとしたほか、関税も持続的な上昇圧力を引き起こす可能性があるとの見方を示した。 ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も、関税が米経済に与える影響は不透明とし、ＦＲＢは「状況が明確となるまで、当面現状を維持すべき」ことを意味しているとした。 バンク・オブ・アメリカ（ＢｏｆＡ）証券のアナリストは米国債利回りは依然として二つの相反するテーマの間で行き詰まっていると指摘。関税を巡る不確実性から高まる成長懸念を反映して、ここ数週間利回りは低下している一方で、経済の基礎的条件は堅調で、インフレリスクは依然として高いとした。 またミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネジングディレクター、トニー・ファレン氏によると、四半期末に資産運用担当者が株式や債券の動向を勘案してポートフォリオを調整する動きも売り圧力を強めた可能性があると述べた。

米金融・債券市場：[US/BJ]

＜株式＞ 反落し、Ｓ＆Ｐ総合５００種とナスダック総合が大幅安で取引を終えた。自動車関税の発表を控え、電気自動車（ＥＶ）大手テスラなどが売られた。 テスラは５．６％、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）は３．１％、それぞれ下落。市場では、関税の規模や貿易相手国の対抗措置、世界経済および企業への影響などを巡り不透明感が広がっている。 ハリス・ファイナンシャル・グループのマネジングパートナー、ジェイミー・コックス氏は「市場は関税を巡る不確実性を嫌う。自動車に関しては特にそうだ。自動車は関税による経済への悪影響の震源地だ」と述べた。 半導体大手エヌビディアは６％近く、ブロードコムも５％近く下落し、フィラデルフィア半導体指数は３．３％安となった。 Ｓ＆Ｐ５００の主要１１業種のうち６業種が下落し、情報技術と通信サービスが２％超下げた。 米商務省が発表した２月の耐久財受注は０．９％増と、予想の１％減に反し増加した。企業が関税による価格上昇を想定して前倒し発注を行ったことが影響した。 バークレイズはＳ＆Ｐ５００の目標水準を６６００から５９００に下方修正した。同指数は年初来３％下落し、ナスダックは７％超下げている。 ディスカウントストア大手ダラー・ツリーは３．１％高。「ファミリー・ダラー」事業について、プライベートエクイティ（ＰＥ）投資家連合への約１０億ドルでの売却に近づいていると明らかにした。 ゲーム販売のゲームストップは１２％近く急伸。取締役会がビットコインを財務準備資産として組み込むことを全会一致で承認した。

米国株式市場：[.NJP]

＜金先物＞ 米政権の高関税政策を巡る不透明感が強まる中、持ち高調整の売りに小反落した。中心限月４月物の清算値（終値に相当）は前日比３．４０ドル（０．１１％）安の１オンス＝３０２２．５０ドル。

相場は朝方、一時３０３０ドル台まで上昇したものの、あと持ち高調整の売りが出て小 幅マイナス圏で方向感なく推移した。

ＮＹ貴金属：[GOL/XJ]

＜米原油先物＞ 一部産油国に対する米制裁強化に伴う需給引き締まり観測を支えに、反発した。米国産標準油種ＷＴＩの中心限月５月物の清算値（終値に相当）は、前日比０．６５ドル（０．９４％）高の１バレル＝６９．６５ドル。６月物は０．６１ドル高の６９．２１ドルだっ た。

トランプ米大統領は先週から今週にかけ、中国を最大の原油輸出国とするイランとベネズエラへの制裁措置を相次ぎ発表。対象となったのは、イラン産原油を中国に輸送する船舶などのほか、ベネズエラ産原油・天然ガスを購入する国・地域で、２５％の輸入関税を課すとした。

ＮＹＭＥＸエネルギー：[CR/USJ]

ドル／円　ＮＹ終値 150.58/150.

63

始値 150.18

高値 150.75

安値 150.12

ユーロ／ドル　ＮＹ終値 1.0752/1.07

55

始値 1.0791

高値 1.0797

安値 1.0745

米東部時間

３０年債（指標銘柄） 17時05分 98*24.0 4.7030

0 %

前営業日終値 99*16.5 4.6550

0 %

1０年債（指標銘柄） 17時05分 102*05. 4.3538

00 %

前営業日終値 102*17. 4.3080

00 %

５年債（指標銘柄） 17時04分 99*18.0 4.0984

0 %

前営業日終値 99*23.7 4.0580

5 %

２年債（指標銘柄） 17時05分 99*23.1 4.0207

3 %

前営業日終値 99*25.3 3.9840

8 %

終値 前日比 ％

ダウ工業株３０種 42454.79 -132.71 -0.31

前営業日終値 42587.50

ナスダック総合 17899.02 -372.84 -2.04

前営業日終値 18271.86

Ｓ＆Ｐ総合５００種 5712.20 -64.45 -1.12

前営業日終値 5776.65

ＣＯＭＥＸ金　4月限 3022.5 ‐3.4

前営業日終値 3025.9

ＣＯＭＥＸ銀　5月限 3422.2 +3.5

前営業日終値 3418.7

北海ブレント　5月限 73.79 +0.77

前営業日終値 73.02

米ＷＴＩ先物　5月限 69.65 +0.65

前営業日終値 69.00

ＣＲＢ商品指数 307.0910 +0.5789

前営業日終値 306.5121