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  • 2022/09/24 掲載

デジタル庁は設立1年で何をした? 活動報告から読み解く「3つの柱」と成長戦略

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デジタル庁が発足して2022年9月1日で1年を迎えた。デジタル庁は、官民を問わず人材を集めて予算と権限を確保することにより、デジタル化を推し進めているとアピールする。デジタル庁が「1年間の成果」と認識していることは何か。設立1年の活動報告を基に振り返る。
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デジタル庁「設立1年」を振り返る
(Photo/Getty Images)

デジタル庁は2022年9月1日で「設立1周年」

 デジタル庁は、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」をミッションに、公共サービスの提供とインフラ整備を目標にする。また官民の境目のない新しい組織を目指し、組織の改革を進めているという。

 デジタル庁では準備室の立ち上げからこの1年間の取り組みを、以下のようにまとめている。

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設立から1年で、着実に改革やサービスを前進
(出典:デジタル庁設立1年の活動報告 2022.9.1)

 2022年6月7日にデジタル庁が策定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、目指すべき社会の実現に向けて、政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策を明記する。この計画は各府省庁が構造改革や個別の施策に取り組み、それを世界に発信・提言する際の羅針盤として位置付けられている。

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「デジタル社会の実現に向けた重点計画」のチャート
(出典:デジタル庁設立1年の活動報告 2022.9.1)

デジタル庁の注力領域「3つの柱」

 デジタル庁では目指すデジタル社会の実現に向けた「全体戦略」の注力領域に、以下の3つを「柱」として挙げている。
「生活者、事業者、職員にやさしい公共サービスの提供」
「デジタル基盤の整備による成長戦略の推進」
「安全安心で強靱なデジタル基盤の実現」


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デジタル庁の注力領域として「3つの柱」を定義
(出典:デジタル庁設立1年の活動報告 2022.9.1)

 以降の章で、「3つの柱」の注力領域の取り組みについて、具体的に解説していく。

生活者、事業者、職員にやさしい公共サービスの提供

<マイナンバーカードの普及>
 社会情勢が大きく変化し生活様式が多様化する中、必要なサービスも多様化している。こういった状況の中、個々人に応じたきめ細かなサービスを受けられるよう、個人の公的な認証の必要性が高まっている。

 デジタル庁では、1人ひとりに最適な行政サービスや民間サービスを受けられる仕組みをつくるため、マイナンバーカードの整備を進めている。マイナンバーカードは、人口約1億2665万人のうち、この1年間で新たに約1059万人がマイナンバーを発行し、所有率は45.8%まで拡大した。

 マイナンバーカードは健康保険証としても利用できるようになり、健康保険証利用申し込み数は1833万人に達したほか、カードが持つ「公的個人認証機能」をオンラインで本人確認に活用する企業が増加するなど、利用シーンも拡大する見込みだ。

 デジタル庁では2022年度中にマイナンバーカードが全国に行き渡るように推進し、2024年中には運転免許証とマイナンバーカードを一体化させ、さらに公的個人認証機能を利用する民間サービスの拡大を目指す。

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1人ひとりに最適なサービスを
(出典:デジタル庁設立1年の活動報告 2022.9.1)

<オンライン行政サービス>
 行政手続きでは、すべての手続きをスマートフォンで完結できる行政サービスの提供も目指している。すでに、薬剤情報や特定健診情報などの閲覧機能、確定申告におけるふるさと納税控除証明書連携機能、公的受取口座の登録機能の提供を開始した。公的受取口座の登録は、1291万件に上る。

 2021年12月に「新型コロナワクチン接種証明アプリ」を短期間で公開し、iOS/Androidの累計証明書発行数が1040万件に達したことも記憶に新しい。

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すべての行政手続きをスマートフォンで。緊急サービスを迅速に提供。利用も簡単
(出典:デジタル庁設立1年の活動報告 2022.9.1)

<キャシュレスへの対応>
 行政手数料のキャッシュレス支払いも推進する。実は各省庁では国へ料金を納付する際「クレジットカードなどのキャッシュレス支払える」と定めた規定が存在していなかった。

 そのため、政府では、自動車検査登録手数料などの行政手数料をクレジットカードや電子マネー、コンビジで支払い可能となる「キャッシュレス法」を成立させた。これにより、自動車検査登録手数料や登記関連手数料など、約110件の手続きがキャッシュレス納付に対応できるようになった。

 すでに自動車検査登録手数料は年間おおよそ5000万件、登記関連手数料は年間おおよそ4500万件がキャッシュレスで納付された。

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行政手数料をキャッシュレスで支払い
(出典:デジタル庁設立1年の活動報告 2022.9.1)

【次ページ】2. デジタル基盤の整備による成長戦略の推進
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