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- 2022/03/02 掲載
物流現場の「非正規差別」、その実態を理解するだけで“職場”と“採用”が劇的変化?
連載:「日本の物流現場から」
「非正規差別」はびこるニッポン
そもそも、日本は非正規労働者に対して、何かと厳しい。これは、社会保障などの社会制度だけの話ではない。世間から向けられるパートやアルバイト、派遣社員といった非正規労働者に向ける評価や認識も冷ややかだ。かつて私は、引っ越し会社で正社員として働いていたが、ある現場から応援を要請されたことがあった。お客さまは、「なぜ、アルバイトを寄越すんだ! 社員じゃないのが気に食わん」と怒っているらしい。現場リーダーは、フリーターではあったが、社歴は私よりも長いし年上である。そもそも私はその人から仕事のいろはを教わった。つまり、信頼できる人物であったのだ。
お客さまは、気に入らないフリーターの現場リーダーよりも明らかに年下の私に、最初は面食らったようだ。だが私が正社員であったことで溜飲が下がったらしく、その後の引っ越し作業は滞りなく終わった。
言っておくが、私が何か特別なことをしたわけではない。お客さまは、人生の節目であり、晴れの日であるはずの引っ越し当日に、アルバイトが来たことが気に食わなかっただけなのだ。そこで正社員が現れ、おわびを二言三言述べたことで、気持ちが収まっただけである。
残念ながら、非正規労働者を低く見る人は存在する。冒頭に述べた物流センター火災において、派遣社員が逮捕されたことを知り、「派遣社員なんかを使っているからだよ」と論じた人の中にも、このような傾向は少なからずあるだろう。
面接で「問題を起こしそうな人」を見抜くは“ムリ”
「私は20年以上、人材ビジネスに関わってきましたが、結論から言うと、『問題を起こしそうな人物』を見抜くことは、限りなく難しいです」──このように語るのは、単発アルバイトのマッチングサービス「マッチボックス」を提供するMatchbox Technologiesのセールス統括本部 副本部長 坂入章夫氏である。坂入氏は、以前から大手人材派遣会社で人材ビジネスに携わってきた。職務上、数千人の非正規労働者と向き合ってきた坂入氏でも、「問題を起こしそうな人物を見抜くことは難しい」と言っているのだ。
「一見、真面目そうでも、いざ雇用すると無断欠勤を繰り返す方もいれば、口下手でコミュニケーションが苦手な方でも、いざ働き始めるとマジメで周囲から高い評価をされる人もいます」(坂入氏)
それはそうだろうと思う。リトマス試験紙のように、面接時に人の素養を簡単に見抜く方法があるわけがない。であれば、問題を起こさないように予防策を張るしかない。
【次ページ】トラブル予防の特効薬は?「優秀人材」の採用方法と併せて解説
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