SATORIやHubSpot、Pardotなどの導入率は?
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見込み客の獲得や育成、絞り込みなどを自動化し、マーケティング活動の効率化に貢献する「マーケティングオートメーション(MA)」。国内外問わず、さまざまなベンダーからサービスが提供されていますが、日本国内での利用実態はどうなのでしょうか。国内上場企業などのWebサイトで生じている外部ドメインへの通信を調査分類し、その利用実態を公表してきたDataSignが、今回新たに国内200万社以上を対象に調査し、主要マーケティングオートメーションサービス全体の概況から都道府県単位での導入状況について中立的な立場からまとめました。
<調査の概要>
[調査対象としたWebサイト]
国税庁が「
法人番号公表サイト」で公表している日本国内の法人種別のうち「株式会社」 2,254,937社を対象としてDataSignが独自収集した 811,152件のURLを対象としています。
[調査期間]
2021年6月
[調査方法]
同意管理ツール「
webtru」を用い、調査対象のWebサイトにおける同一ドメインの10ページを対象とし、Webサイト閲覧時に発生している「ドメインが異なるURLへのHTTPリクエスト」からサービスを特定しています。(特許取得済み)そのため、Webサイト管理者が明示的に利用をしていないサービスについても検出することが可能です。
[留意点]
調査結果はドメイン単位で記録しているため、サブディレクトリ単位で子会社等のWebページを管理しているケースにおいて、子会社等の事業所が所在している都道府県の結果に重複して値が入ることがあります。全体の集計値ではドメイン単位のユニークな値を出していますので、合計値を比較すると差異が生じます。
マーケティングオートメーション(MA)サービス導入調査結果
全体の結果では、セールスフォース・ドットコムが提供するPardot が首位となりました。Pardotは、DataSign が過去に行った調査でも2017年12月以降首位を走り続けており、2位以降との差を拡げる独走状態が続いています。
Pardotに続くHubSpot、Marketoも海外勢ではありますが、国産ではBowNow、SATORI、リストファインダー、Kairos3、KASIKAといったところが上位に食い込んでいます。
その中でも、クラウドサーカス社が提供するBowNowは急速にシェアを拡大し、公式発表では導入実績が6,900社を超えたとあります。2017年半ばにフリープランを開始するなど利用者の導入障壁が低いとはいえ、同サービスの急拡大は市場にマーケティングオートメーションサービスが浸透してきたことを象徴しているように感じます。
次ページでは都道府県ごとの結果をお見せしますが、その前に補足情報として、主要MA(調査での上位10項目)について、簡単に説明します。
マーケティングオートメーション(MA)の主なサービス
■Salesforce Pardot / セールスフォース・ドットコム
セールスフォース・ドットコムが提供するMAツール。リストからの一括配信やメールの開封・クリックの計測、レンダリングなどのメール配信機能、フォームやテンプレートからのLP制作機能、Webページ閲覧のトラッキング機能、ページのビューやフォームからのコンバージョンを可視化するレポーティング機能などを備えています。同社のSFA/CRMサービス「Salesforce」とスムーズに連携するので、マーケティングと営業部門との情報共有の活性化や容易な部門連携を可能にします。
■BowNow / クラウドサーカス
「低コストで使いやすい」をコンセプトに開発されたMAツール。営業部門もマーケティング部門でも使えるシンプルな設計にこだわり、必要な機能だけを厳選した簡易な画面での操作が可能です。ユーザーをステータスごとに分類し、ホットリストを自動抽出する「ABMテンプレート」機能などを備えています。無料のフリープランを提供し、必要な機能を選んで課金していく料金体系を採用。初期コストを抑えたツール導入が可能な点も特長の1つです。
■HubSpot(Marketing Hub)/ HubSpot社
マーケティングから営業、コンテンツ管理、カスタマーサービス、オペレーションなどの業務を提供するツール群の1つであるMarketing Hubは、マーケティング関連のすべてのツールとデータを一元管理できます。LPやフォームの作成、SEO、広告のトラッキング、ソーシャルメディア管理などのリード獲得から分析、データ統合などの機能を提供。ブログ、SNS、広告などを活用して訪問者を惹きつけることで、リード(見込み客)への転換を支援します。
■Marketo(Adobe Marketo Engage)/ アドビシステムズ
BtoB、BtoCに関わらずグローバルで5,000社以上の採用実績を持つMAツール。マーケティングを支援する主要な9つの機能を搭載しています。たとえば、AIを活用した「プレディクティブコンテンツ」機能では、Webサイト訪問者に自動的に適切なコンテンツを表示します。顧客情報の収集・蓄積、クロスチャネルでの顧客行動の分析、リードから新規顧客の獲得、ロイヤル顧客化まで購買プロセスの可視化、1on1などのパーソナライズされた顧客体験の自動化などを実現します。
■SATORI / SATORI社
1,000社以上が導入する国産MAツール。フォームやポップアップなどでWebサイト上のコンバージョンを促したり、セミナー開催に必要な申込受付フォームやメールの作成、データ管理やセミナー後のフォローなどの効率化を支援します。また、セグメント機能によって購買意欲が高まった見込顧客を抽出した自動的なアプローチも可能です。さらに、匿名客、実名客を問わず、オンライン/オフラインのアクセス履歴や接触履歴などの情報を一元管理します。
■リストファインダー / Innovation & Co.
中小企業を中心に国内1,600アカウント以上の導入実績を持つ、BtoB向けの国産MAツールです。「見込客情報を集約・整理」「見込客への情報発信で購買意欲を高める」「購買意欲が高い見込客への継続的なアプローチの実施」などを実現する仕組みづくりを支援します。日本のBtoBビジネスで活用される必要な機能を搭載し、月額3万円台から導入できる価格設定を採用。専任の担当者が不在でも使いこなせるツールとして、初めてのMA化も支援できる点も特長の1つです。
■Kairos3 / カイロスマーケティング
「営業のための商談をつくるツール」というコンセプトで、マーケティングと営業活動に必要不可欠な機能を備えたMAツールです。企業規模を問わず、1,500アカウント以上の導入実績を持ち、シンプルな運用からより高度な運用までを幅広くカバーできます。「Zoom」連携によるウェビナーのサポートやCRM機能の拡充など機能が随時アップデートされています。Kairos3 API(オプション)を使用することで他社のアプリケーションと自由度の高いデータ連携を可能にしています。
■KASIKA / Cocolive
不動産会社・工務店などの営業担当者の活動を支援する業界特化型ツールです。住宅営業に必要な機能のみを集約している点が特長の1つです。大手ポータルサイトとデータ連携により、資料請求などのアクションがあった顧客情報を取り込み、メール自動配信などの機能を備え、迅速なフォローや中長期的な追客を実現します。また、優良顧客のリストアップの自動化や顧客の興味や検討確度を可視化することなどでアプローチを効率化し、来場数の向上などを支援します。
■B-dash / データX
データの取込や加工、統合、抽出、活用などを容易に実現する機能を備えたデータマーケティング支援ツールです。独自技術「データパレット」によって、専門スキルがなくてもノープログラミングでGUIでのデータ操作を可能にしています。また、データ統合基盤によって、マーケティング活動におけるすべてのデータを集約・連携できます。さらにMA機能だけではなく、BI、Web接客やアプリPUSHなどデータマーケティングに必要な機能を網羅。使いたい機能を自由にカスタマイズして必要なタイミングで機能を拡張できます。
■Oracle Eloqua / 日本オラクル
顧客データの統合活用する基盤として、包括的なマーケティング活動を支援します。BtoB向けには、ターゲットを絞ったクロスチャネルでのマーケティング施策の展開によってリード生成を最適化し、パーソナライズされたコミュニケーションなどで、マーケティング活動を自動化します。BtoB向けには、マーケティング施策の作成、実行、測定を簡素化したり、リアルタイムの顧客行動をキャプチャすることで効率的な施策の実施を可能にします。
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