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マーサーが発表した「2017年世界生計費調査(Cost of Living Survey)-都市ランキング」は、5大陸209都市において、住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査し、それぞれを比較している。調査結果は、南北アメリカ、ヨーロッパ・中東・アフリカ、アジア・太平洋の3つの地域に分けて分析している。なお、今回発表のランキングはニューヨークをベースとし、ニューヨークを100とした場合の各都市の指数を比較している。基軸通貨は米ドル。
最も物価の高い都市はルアンダ、5位までをアジアの都市が占める
調査結果によると、アジアと欧州の都市、特に香港(2位)、東京(3位)、チューリッヒ(4位)、シンガポール(5位)が、駐在員にとって最も物価の高い都市の上位を占めた。物価やセキュリティ・コストにより、最も物価が高い都市はアンゴラの首都ルアンダ(1位)となった。トップ10はこの他、ソウル(6位)、ジュネーブ(7位)、 上海(8位)、ニューヨーク(9位)、ベルン(10位)となっている(図1)。
一方で、駐在員にとって世界で最も物価の低い都市は、チュニス(209位)、ビシュケク(208位)、スコピエ(206位)となった(図2)。
北米で最も物価が高い都市はニューヨーク、南米はサンパウロ
南北アメリカ地域では、米国の都市が最も物価が高い結果となった。ニューヨーク(世界都市ランキング、以下同:9位)が最も高く、昨年から2つ順位を上げた。サンフランシスコ(22位)とロサンゼルス(24位)がこれに続き、それぞれ4、3と順位を上げた。
他には、シカゴ(32位)が2つ順位を上げ、ボストン(51位)は4つ順位を下げた。シアトルは7つ順位を上げている。ポートランド(115位)とウィンストン=セーラム(140位)は、今年も米国で最も物価の低い調査都市となった。
マーサーは、「全体的に、米国の都市は順位が安定しているか、世界の主要通貨に対する米ドルの動きから多少順位を上げている」と述べている。
南アメリカでは、ブラジルのサンパウロ(27位)とリオデジャネイロ(56位)がそれぞれ 101、100と飛躍的に順位を上げたが、これは米ドルに対して現地通貨レアルの価値が上昇したことが原因としている。
アルゼンチンの首都であり金融の中心でもあるブエノスアイレスが40位に入り、これにサンチャゴ(67位)、ウルグアイのモンテビデオ(65位)が続き、それぞれ41、54と順位を上げた。
他に南アメリカで順位を上げたのは、リマ(104位)とハバナ(151位)。 94位から順位を下げたコスタリカのサンホセ(110位) は地域でも最も大きく順位を落としたが、米ドルに対して現地通貨(コロン)が上がった影響による。
なお、ベネズエラのカラカスは公定為替レートが複数存在する複雑な状況にあり、選択する為替レートによって順位が大きく変わるため、ランキングから除外している。
カナダでは、昨年より35順位を上げたバンクーバー(107位)がトロント(119位)を抜き、最も物価の高い都市となった。これに、モントリオール(129位)とカルガリー(143位)が続いた。
152位のオタワはカナダで最も物価の安い都市となっっている。カナダドルの価値が上がったことで、順位に大きな変動が生じたとしている。
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