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- 2016/08/18 掲載
ドローンがもたらす「アートの民主化」がクリエイティブに革命を引き起こす!
空撮写真展「Perspectives by SkyPixel in Tokyo - 僕は空からの眺めが好き」
ドローンと「アート」の可能性
――まず、「SkyPixel」についてお教えください。山下氏:「SkyPixel」は、ドローンで撮影した写真や動画をシェアするプラットフォームとして、「ドローンでできること」を、より多くの方々に知っていただくために開設したサイトです。DJIの「クリエイター支援活動」の一環として始まりました。プロからアマチュアまで、世界146ヵ国、100万人のユーザ―が、素敵な作品をサイトにアップロードしています。
柿野氏:SkyPixelは、オンラインの空撮投稿サイトですので、ネットユーザー以外の多くの人にも作品を見てもらいたいと考えていました。また、オンラインはノンリアルなので、クリエイティブ・アートとして、皆様の5感や第6感に訴えたいという気持ちもありました。そこで、この展覧会をスタートさせたのです。
先日開かれた本写真展のオープニングパーティでは、IT業界関係者だけでなく、ファッション系やアート系の方々にも多く参加していただきました。そういう点では、DJIとしても新しいブランディングが達成できたと感じています。私たちはドローンとカメラによる空撮に主眼を置いています。農業やインフラ点検など、ドローンの利用が広がってきましたが、空撮という流れからクリエイターとの関係を深めることも自然な流れだといえます。
「ドローン文化」に一石を投じる
――「Perspectives by SkyPixel」という展覧会のシリーズは、ロサンゼルス、ベルリン、香港、上海など、世界中を巡回しています。今回、日本で展覧会を開催する意義はどのようなところにあるのでしょうか。中村氏:日本では「ドローン」という言葉は浸透してきたものの、ドローン自体を見たり触れたりする機会は、海外と比べて少ないように思います。このイベントを通じて、ぜひドローンをもっと深く知ってもらいたいです。
柿野氏:日本は他国よりドローン文化が遅れています。規制面だけでなく、日本の人々が新しいモノに対して保守的なこともその要因かもしれません。ですから我々は、DJIらしいアプローチによって、クリエイティブな側面からドローンの環境づくりに貢献できるように、一石を投じたいと考えています。
感じる空撮アート
――この展覧会はどのように楽しめばよいのでしょうか。見方・楽しみ方をお教えください。山下氏:エントランスから長い通路を抜けると「空からの眺めゾーン」があります。ここでは四角い「ピクセルスクリーン」が20枚ほどランダムに配置され、上からプロジェクターで作品を映し出しています。いろいろなスケールの映像や写真が次々と投影される仕掛けです。スクリーンのサイズを揃えないことで、人工的な感じが緩和され、自然の中に漂っているような感覚を演出できているのではないかと思います。まずは遠くから全体の作品を眺めて、そのあとに何歩か前に出て、気に入った作品を鑑賞すると、また違ったイメージが目に飛び込んでくるでしょう。
実は、「空からの眺めゾーン」で展示されている写真には、隠れたテーマがあったりします。それを考えながら見ていただいても面白いと思います。
次の「ギャラリーゾーン」では、SkyPixelの空撮作品が並んでいます。海外だけでなく、日本からの作品も展示されています。海外のクリエイターと日本のクリエイターの作品の違いを発見できると思います。DJIのスタッフが、この展覧会のために沖縄の海で撮り下ろした作品も展示していますので、空からの景色を楽しんでいただければ嬉しいですね。
それからサウンドにも工夫を凝らしています。入口の通路にはゴーっという風のような音が響き、「空からの眺めゾーン」に入ると一転して穏やかなサウンドになります。さらにギャラリーゾーンでは、小鳥のさえずりというように、ゾーンごとに音によって雰囲気を変えるようにしました。
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