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- 2016/05/18 掲載
リクルートコミュニケーションズがエンジニアの成長のために取り組んでいること
Developers Summit 2016
ソフトウェアによるビジネスを行う組織にとって人材はもっとも重要な資産の1つであり、その人材と組織をつねに優れたものに成長させ続けていくことはマネジメントにとって最大の課題でしょう。
ではマネジメントはどのような考えや方法でエンジニアを成長させ得るのか。2月19日、20日に行われたイベント「Developers Summit 2016」(通称デブサミ)でリクルートコミュニケーションズの阿部直之氏が行ったセッション「エンジニアを成長させるための組織づくり」では、その一例を見ることができました。
この記事では、そのセッションの内容をダイジェストで紹介します。
エンジニアを成長させるための組織づくり
リクルートコミュニケーションズ 阿部直之氏。
リクルートコミュニケーションズで、エンジニアが成長する環境を作るために取り組んでいることを紹介しようと思います。
エンジニアの成長は、組織の影響を受けるところがあるので、まずはリクルートコミュニケーションズの会社について。
リクルートコミュニケーションズはリクルートグループの会社です。グループの中には、タウンワークやゼクシィといったサービスを運営している事業会社がありますが、リクルートコミュニケーションズは、そうした各事業会社に横断的に機能を提供する機能会社です。
この中でエンジニアはデジタルマーケティングの支援にコミットしています。アドテク部として、クライアントとユーザーのマッチングをオンライン広告の領域で行う、アドテクノロジーに特化したエンジニアの組織になっています。

50名強のうち大半がエンジニアです。エンジニアが多いだけでなく、プロダクトの開発、推進にコミットするような組織になっていて、ビジネス側から依頼を受けて作るだけでなく、エンジニアからもアイデアを出してプロダクトを大きくしていくこともあります。

エンジニアは技術的な観点からアイデアの実現性や優位性を考え、プランナーはビジネス面から優位性や販売戦略などを考え、アイデアをぶつけながらプロトタイプを作って、それをもとに見立てがつくなら予算を獲得し、開発し、KPIを設定して仮説検証を繰り返して改善していきます。
こんな組織におけるエンジニアの成長についてお話しします。
エンジニアが成長することで組織の価値を増やす
私はエンジニア組織のマネージャとしてマネジメントをしています。もともとは独立系SIerでインフラから開発、運用まで、いうなれば何でも屋みたいなことをしていましたが、もう少しカスタマ寄りのWebサービスをやりたいということでリクルートコミュニケーションズに入りました。
最初はアドテクを立ち上げるためにエンジニアとしてプロダクトの開発をしていましたが、継続的デリバリやDevOpsなどが盛り上がってきて、組織のスループットを上げるのが面白くなって、今年度からマネジメントをしています。

組織のスループットを上げるとは、経営資源によってインプットされたリソースを変換して何らかの組織価値を出すと。
どうすれば組織価値が増やせるだろうと考えると、この変換の部分を構成するのは主にエンジニアなので、エンジニアを成長させることが大事だろうと考えたわけです。
一般に組織の成長とは人が増えることだろうと考えられていますが、僕らが目指しているのは人を増やすのではなく、メンバー自身が成長することで組織の価値を増やしていくと。

組織にマッチングする人を採用する
ここからは、組織としてエンジニアを成長させるための4つの取り組みについて紹介します。
まず採用の領域です。採用でいちばん気にしているのは、その人が僕らの組織にジョインして本当に一緒に成長していけるのか、組織とのマッチングです。
採用活動はもちろん人事部と一緒に動きますが、現場の人間も強く採用にコミットするようにしています。
どんな人がリクルートコミュニケーションズにマッチするのかを考えるとき、いま社内で活躍している人がどんな人かを考えてみます。

つまり、プログラミングでより高度な課題をどんどん解いていくような人は、私たちの組織にマッチングするのではないかなと。それは能力があるだけでなく、そういうことを楽しんでやれる人なのではないかな、と考えてています。
こういう人を採用するために、プログラミング試験というのもやっています。これはどこからか問題をとってくるのではなくて、問題自体を現場のエンジニアが作成し、採点までしています。
なので、現在進行形で組織が求めているスキルを評価できるし、エンジニアの人は分かると思うのですが、コードには性格や志向も出るので、そういうのも一緒に見て、この人と一緒にコードを書いていけるのか、といったところも評価点になっています。
こういう試験を採用のコアに置くことで、現場で相性がいい人を採用できるのではないかなと思います。
【次ページ】 目標設定と評価はセットで考える
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