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オープンソースのクラウド構築基盤「OpenStack」の国際イベント「OpenStack Summit Tokyo 2015」が開幕した。同イベントが日本で開催されるのは今回が初。27日から30日にかけて行われ、50か国から5000人以上が訪れているという。同イベントのキーノートでは、ヤフーやGMOの担当者も登壇し、各社のインフラを支える中核技術としてOpenStackが活用されていることを明らかにした。
OpenStackは、現在もっとも広く導入されているクラウド構築用のオープンソース・ソフトウェアの1つ。AT&T、ウォルマート、ディズニーなどの世界的な企業のほか、ヤフーやNTTドコモ、GMOなどの国内大手サービスプロバイダのクラウド基盤としても導入されており、そのプロジェクトは世界176か国、550社を超える企業と3万2000人を超えるユーザーに支えられている。
基調講演に登壇したのは、OpenStack Foundationでエグゼクティブ・ディレクターをつとめるジョナサン・ブライス氏。同氏はRackspace Cloudを立ち上げた人物としても知られている。
ブライス氏は、
10月16日にOpenStack第12弾のリリース「OpenStack Liberty」が発表されたこと を改めて報告、OpenStackコミュニティが大きな成功を収めている点を強調した。そのうえで、さらなる拡大のためには「才能」が必要だと指摘。「新しい技術には、新しい人が必要になる」とブライス氏はいう。
この点、現在はMarketPlace上でさまざまなe-Learningセッションが開催され、100ほどのコースが数十か国で展開されている。これに加えて、本日、「OpenStack認定管理者(COA)」試験を実施すると発表した。COAは、6か月以上のOpenStackの経験を持つプロフェッショナルで、OpenStackクラウドの日常的な運用・管理に必要なスキルを備えた人材を認めるもの。オンラインで提供され、第1回試験は2016年中に行われる予定。
「COA認定は今後、絶対的な評価基準、すなわち採用活動時の有望な応募者の履歴書には当然のように記載される必須の資格になる」とブライス氏は語る。
また、新規ユーザー向けサービスも拡充。OpenStackでは現在、25種類以上のクラウド関連サービス/プロジェクトが「OpenStack」ブランドで展開されているが、広範におよぶため、初心者は各機能の成熟度を測るのが難しかった。
そこで今回、
「Project Navigator」のページを公開 。ここでは各プロジェクトの成熟度、リリース計画、パッケージング、マニュアルサポートなど、各プロジェクトの重要情報を一覧することが可能になる。
これにより、新規ユーザーは、OpenStackクラウドで一般的に導入されている6つのプロジェクトと、各社の利用形態に応じて導入の有無を選択可能なオプションサービスを明確に区別できるという。
さらにOpenStackを積極的に活用した企業に贈られる「Superuser Awards」には、NTTグループが輝いた。同社グループは、ポータルサイトのgooを運営し、その中でOpenStackを活用。1か月あたり10億PV閲覧され、1億7000万ユニークビジターが訪れる。ドコモメールでは、1日1億7000万通のメールをマネージしたことが評価された。
そのほか、キーノートではヤフー、NEC、GMOインターネット、Aiming(エイミング)などの担当者が登壇。元LINE CEOで、現在C Channelを手がける森川亮氏も登場した。ヤフーやGMOでは、インフラの中核技術としてOpenStackを活用していると明かした。詳細は追ってお届けする。
(取材:編集部 松尾慎司)
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