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OpenStack Foundationは16日、クラウド構築用のオープンソース・ソフトウェアとして広く導入されているOpenStackの第12弾目のリリースとなる「Liberty」を発表した。Software Defined Networking(SDN)、コンテナ管理など、クラウド事業者など大規模な導入環境に対応する各種新機能が加えられた。本日よりダウンロードを開始する。
今回リリースされた「
OpenStack Liberty 」では、よりきめ細かなアクセス・コントロール機能とシンプルな管理機能が新たに導入された。共通ライブラリや構成管理の向上なども図られた。
HeatオーケストレーションやNeutronネットワーキングのプロジェクト向けに、ロールベース・アクセス制御(RBAC)機能も追加された。
大規模環境向けには、モデル更新により超大規模・複数拠点の演算環境をサポートするNova Cells v2の初期バージョンなどで、より高い性能と安定性を得ることが可能となった。さらにLibertyでは、Horizonダッシュボード、NeutronネットワーキングのCinderブロック・ストレージ・サービス、Novaの演算サービスへのアップグレード過程において、スケーラビリティと性能が向上した。
OpenStackは仮想マシン、コンテナ、ベアメタル・インスタンスという3つの主要クラウド演算技術の管理に対応している。Libertyでは、拡張可能なNova演算スケジューラ、ネットワークのサービス品質(QoS)フレームワーク、強化版LBaaS(サービスとしてのロード・バランシング機能)などの新機能が加わることで、パブリックとプライベートの両方の分野でソフトウェア機能が進化した。
さらにLibertyでは、コンテナ管理プロジェクトMagnumの初のフルリリース版が導入される。Magnumは、一般的なクラスタ管理ツールであるKubernetes、Mesos、Docker Swarmをサポートする。Nova、Ironic、Neutronといった既存のOpenStackサービスと連携することで、Magnumではコンテナ技術の採用が容易になっている。
libnetworkなど、ネイティブなコンテナ・ネットワーキング・コンポーネントと直接連携する新規プロジェクトKuryrを通じ、さらなる機能向上も計画中という。
Libertyの拡張機能の管理、自動化、オーケストレーション用に、Heatオーケストレーション・プロジェクトには数十種類の新規リソースが追加された。利用可能なリソースやアクションの内容を明確化するAPIなど、管理機能とスケーラビリティの向上は、すべてRBACのフィルタリングに対応する形で今回の最新リリースに採用されているという。
アップストリーム・コード、レビュー、ドキュメンテーションなど、国際的な共同作業を通じ、OpenStack Libertyへの貢献を行っている団体の数は164以上、個人の数は1,933名に上る。そのうち、HP、レッドハット、ミランティス、IBM、Rackspace、ファーウェイ、インテル、シスコ、ヴイエムウェア、NECなどがソース貢献企業に挙げられている。
過去6カ月間に追加された新規プロジェクトにより、Magnumのコンテナ管理機能(Kubernetes、Mesos、Docker Swarmに対応)、Astaraのネットワーク・オーケストレーション機能、Kuryrのコンテナ・ネットワーキング機能、CloudKittyの課金機能、一般的なアプリケーション・テンプレートを多数収録したCommunity App Catalog向けのオプション機能が実現している。これらの新サービスは、ビッグデータ分析、データベース・クラスタ管理、オーケストレーションサポートなど、定評あるプロジェクトを構成する要素となっている。
来春に公開予定の次期バージョンは「OpenStack Mitaka(三鷹)」となる予定。Mitakaの機能は、10月27日から東京で開催される「
OpenStack Summit Tokyo 2015 」で議論される。
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