- 2015/10/16 掲載
OpenStack Libertyの提供開始、SDNやコンテナ管理、大規模環境に対応
HeatオーケストレーションやNeutronネットワーキングのプロジェクト向けに、ロールベース・アクセス制御(RBAC)機能も追加された。
大規模環境向けには、モデル更新により超大規模・複数拠点の演算環境をサポートするNova Cells v2の初期バージョンなどで、より高い性能と安定性を得ることが可能となった。さらにLibertyでは、Horizonダッシュボード、NeutronネットワーキングのCinderブロック・ストレージ・サービス、Novaの演算サービスへのアップグレード過程において、スケーラビリティと性能が向上した。
OpenStackは仮想マシン、コンテナ、ベアメタル・インスタンスという3つの主要クラウド演算技術の管理に対応している。Libertyでは、拡張可能なNova演算スケジューラ、ネットワークのサービス品質(QoS)フレームワーク、強化版LBaaS(サービスとしてのロード・バランシング機能)などの新機能が加わることで、パブリックとプライベートの両方の分野でソフトウェア機能が進化した。
さらにLibertyでは、コンテナ管理プロジェクトMagnumの初のフルリリース版が導入される。Magnumは、一般的なクラスタ管理ツールであるKubernetes、Mesos、Docker Swarmをサポートする。Nova、Ironic、Neutronといった既存のOpenStackサービスと連携することで、Magnumではコンテナ技術の採用が容易になっている。
libnetworkなど、ネイティブなコンテナ・ネットワーキング・コンポーネントと直接連携する新規プロジェクトKuryrを通じ、さらなる機能向上も計画中という。
Libertyの拡張機能の管理、自動化、オーケストレーション用に、Heatオーケストレーション・プロジェクトには数十種類の新規リソースが追加された。利用可能なリソースやアクションの内容を明確化するAPIなど、管理機能とスケーラビリティの向上は、すべてRBACのフィルタリングに対応する形で今回の最新リリースに採用されているという。
アップストリーム・コード、レビュー、ドキュメンテーションなど、国際的な共同作業を通じ、OpenStack Libertyへの貢献を行っている団体の数は164以上、個人の数は1,933名に上る。そのうち、HP、レッドハット、ミランティス、IBM、Rackspace、ファーウェイ、インテル、シスコ、ヴイエムウェア、NECなどがソース貢献企業に挙げられている。
過去6カ月間に追加された新規プロジェクトにより、Magnumのコンテナ管理機能(Kubernetes、Mesos、Docker Swarmに対応)、Astaraのネットワーク・オーケストレーション機能、Kuryrのコンテナ・ネットワーキング機能、CloudKittyの課金機能、一般的なアプリケーション・テンプレートを多数収録したCommunity App Catalog向けのオプション機能が実現している。これらの新サービスは、ビッグデータ分析、データベース・クラスタ管理、オーケストレーションサポートなど、定評あるプロジェクトを構成する要素となっている。
来春に公開予定の次期バージョンは「OpenStack Mitaka(三鷹)」となる予定。Mitakaの機能は、10月27日から東京で開催される「OpenStack Summit Tokyo 2015」で議論される。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR