- 会員限定
- 2015/10/28 掲載
年内にも順位変動か アジア太平洋のIT業界ウォッチ
インドIT最新事情
年内にもアジア太平洋地域で3位か
2015年のインドのIT支出は、前年の671億米ドルに比べ9.4パーセント増の733億米ドルに達した(図表1参照)。
このペースで行けば来年には、アジア太平洋地域で第3位、2018年には中国に次ぐ第2位の地位を占めるとのことだ。ソフトウェア関連での14パーセントをはじめとして、今年1年でインドのITサービスは、15.7パーセントの成長をすると見込まれている。
ガートナー社の調査部門のグローバルヘッドのPeter Syndergaardシニア・バイス・プレジデントは言う。
インドでは、ソフトウェア・サービス業界の主要企業(タタ・コンサルタンシー・サービシズ、インフォシス、HCL、ウィプロ、テックマヒンドラ)のシェアが実に85パーセントを占める(図表2参照)。欧米から案件を次々と獲得して、インドIT業界を牽引しているのだ。
就業者の3分の1がIT関連へ
IT市場で成功するのは生やさしいことではない。デジタル化がもたらす革命が進行する中、デジタル事業にフォーカスできる人材を育てたり採用したりすることが、成功へのカギとなる。インドIT業界の巨人と言われる企業は、新しい技術を試すため、ソーシャルネットワーク、クラウド、モバイル、IoT(モノのインターネット化)といった先端分野に長けた人材や企業を次々に取り込んでいく動きを見せている。こうした企業は一方で、自社人材にITの基本的な教育を施すだけでなく、より専門性を高める研修にも力を入れている。
今年中にはインドでは、何らかの形でITに関連する職種が3分の1に及ぶだろう。それは、ソフトウェア関係、ビッグデータ取扱いにおけるスマートな意思決定、ロボット工学といった領域に広がる。2010年代の終わりには、各種事務処理に必要な人数が半減する一方、それを支えるデジタル産業は5倍に成長するだろう。
地球上をデジタル化の波が覆っている。デジタル化によって、仮想と現実を融合する新しいビジネスが生まれ、インターネットで利用可能な方法を通して仕事のやり方が劇的に変わっていく。デジタル化が産業界に及ぼす影響は実にすさまじいものがある。
【次ページ】 インドは格好のスマートフォン市場
関連コンテンツ
PR
PR
PR