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- 2015/10/06 掲載
ティントリ CSOに聞く、大規模仮想化環境に最適なストレージ選びのポイント(2/2)
マクガイア氏:当社には現在800以上のユーザーがいますが、そのほとんどのお客さまは「オールフラッシュは必要ない」と言います。それでもなぜ、新たにオールフラッシュを販売することにしたのか。実は既存製品はOLTPで使う分には非常に向いていますが、データをフルスキャンするようなデータウェアハウスには向いていません。
従来はそういった用途に使用する際には、他社製品をご紹介していました。しかしティントリの使い勝手の良さを知っているため、そこもカバーして欲しいという要望が多数寄せられており、今回のオールフラッシュの販売に踏み切ったわけです。
しかし、オールフラッシュの使用は、あくまでも先のようなデータをフルスキャンするようなDWHやビッグデータ解析、さらにはバックアップですべてのデータにアクセスするようなワークフロー、さらには仮想デスクトップ環境下で高負荷な3Dグラフィックスを高速に処理するような用途に限られており、ほとんどはハイブリッドアレイで対応できると考えています。
大規模エンタープライズのお客さまが満足する製品開発を
──今後の展開について教えてください。マクガイア氏:まずは今後1年以内で3つのことを実現する予定です。第一が一括管理できるVM数を100万に近づけること。第二がグローバルVMアナリティクスという、どこのVMがどういう状況になっているか、分析できるようなソフトウェアを提供することです。
第三はオートバランシングの仕組みです。何十個ものVMが動いているような場合、その中であるVMの動きが遅くなったとき、そのVMが動くのに最適なティントリのシステムがどれか、ソフトが自動で判断し、バランシングしていく仕組みです。たとえば遅くなったVMがディスクで動いているのであればフラッシュに切り替えたり、オールフラッシュで動いているVMに余分があれば、自動的にハイブリッドアレイで動かすというような、すべてティントリ自身が自動で行うオートバランシングの仕組みも提供したいと考えています。
もちろん、先述したようにハイパーバザーのインテグレーションももっと積極的に取り組んで行く予定です。さらにはDockerなどのコンテナも積極的にサポートしていこうと考えています。そして企業としてはIPO(上場)も予定しています。
──ターゲットとするのはサービスプロバイダのような大規模利用用途のお客さまでしょうか。ミッドレンジでは、BoxやOneDriveといったクラウドストレージも注目を集めています。
マクガイア氏:それは変わりません。当社のターゲットはサービスプロバイダをはじめとする非常に大規模なお客さまです。VDIであれば1000台以上で使われています。データベースであれば、20TB以下のお客さまはいません。20TBからペタバイトクラスのデータベースを使ってアプリケーションを動かしているお客さまがターゲットです。
BoxやOneDrive、Dropboxなどのクラウドストレージが登場して注目を集めていますが、それらのターゲットとは重なりません。私たちがサポートするのは、むしろそうしたクラウドストレージを運用しているお客さまです。そしてそれらのサービスプロバイダが中堅、中小企業のお客さまをサポートしていくことで、ティントリとしても中堅、中小企業のお客さまを間接的にサポートしていきたいと考えています。
実は当社の製品は、サービスプロバイダによく採用されています。クラウドサービスでは、お客さまごとにサイロを設けてストレージを切らなければならないのですが、その作業が非常に複雑なのです。しかしティントリであれば切ることなく、ソフトウェア的に明示するだけでエリアが確保できる簡単な仕組みになっています。
──最後に今後のストレージの選び方で大事になってくるポイントについてお聞かせください。
マクガイア氏:容量単価だけではなく、VM単価で見てほしいということです。当社ではVM単位での提供となります。たとえば1000VMが必要で、1VMあたり10GBでお客さまが満足するパフォーマンスが出るのであれば、10GV×1000VM=1TB分の容量をお支払いいただければよいというわけです。
一方、容量単価の場合は、性能を出すためにオーバープロビジョニングが必要となり、無駄な容量にお金を支払うことになってしまいがちです。これではいくら容量単価が安くても、トータルで見ると、初期投資コストが高くなってしまいます。
企業がこれからストレージを選択する際のポイントは、容量単価ではなくVM単価、あるいは利用に応じた単価で考えるべきです。こうすることで満足するパフォーマンスおよびコストが手に入るのではないでしょうか。
──本日はありがとうございました。
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