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エンタープライズ市場において、クラウドの存在感が非常に高まっている今日。クラウド専業のシステムインテグレータ(SIer)が登場し、注目され始めています。その1つがサーバーワークスで、同社はAmazonクラウドのパートナー制度で数少ないプレミアムコンサルティングパートナーにも選出された1社です。しかし、クラウド専業のSIerとは従来のSIerとどこが異なっているのでしょうか?
7月29日に都内で行われたイベント「Developer Summit 2015 Summer」(夏サミ2015)では、サーバーワークス代表取締役 大石良氏が、「AWS専業クラウドインテグレータが語る クラウド時代のエンジニア像」と題した講演を行いました。
その講演の中で、クラウド専業SIerと従来のSIerとの違いが詳しく説明されています。
AWS専業のSIer、サーバーワークス
サーバーワークスの大石と申します。
私たち、サーバーワークスという会社はですね、おかげさまで最近、少しだけ知られるようになってきたところですけれど、AWS専業のクラウドインテグレータです。
そんな私たちは、マーケットが非常に大きな変革にさらされていて、私たち自身もエンジニアも、これからこういうふうに変わっていかなければいけないのだと、少しずつ分かり始めているところです。
今日は、そこをみなさんと一緒に共有させていただいて、クラウド時代のエンジニア職って、こういうスキル性が必要ではないかということを一緒に考えていこうかなと思っております。
私は苗字が「大石」というものですから、社員から「大石蔵人之助」(おおいしくらうどのすけ)という、あまりありがたくないあだ名をいただいております。
何がありがたくないかといますと、蔵人之助というと最後は、やはり切腹なのですね(笑)。
ということで、私、このお時間の中で、みなさんに何も得るものがなかったなら切腹すると(笑)。そのくらいの勢いで、必ず何か1つお持ち帰りいただけるアイデアを提供させていただくと約束させていただきたいなと思います。
どうしてクラウド専業になったのか?
私たちサーバーワークスという会社は2000年に作った会社なのですけれど、少し変わったサービスをやっておりました。
いまどきの大学の合格発表は、落ちたか、受かったかを全部スマホで見ることができちゃうのです。で、私たちは実はこの分野の60パーセントくらいのシェアがございまして、このサービス自体はいまも継続しているのですね。
ところが、大学の合格発表は2月の特定の日の朝10時からの15分くらいに集中するのです。この15分のためだけに、サーバーが200台ぐらい必要なのです。
この15分以外は全部、このサーバは無駄なんですね。
これを何とかしたいと解決策を探していたら、どうもあの本屋であるAmazon.comがサーバを1時間10円で貸してくれるらしいと、そう聞きつけて私はさわってみました。すると、これはすごいと、ITの世界がまるっきり変わってしまうかもしれないと。
そこで2007年からAWSのテスト利用を開始し、2008年に社内にサーバ購入禁止令を出しました。
2008年から本当にサーバを買っていません。社内のシステムをAWSに乗せて事業が維持できるのか、チャレンジをやってみたのです。
で、いよいよ2009年からは新規のプロジェクトはAWS1本だということで、AWS専業ベンダにかじを切ったわけですね。
【次ページ】 最初は苦労したAWS専業インテグレータ
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