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- 2015/09/25 掲載
アマゾン ジェフ・ベゾスが意思決定に使った「後悔最小化フレームワーク」とは何か
ベゾスに学ぶイノベーターの仕事術
インターネットの興隆期、ベゾスはそこにいた
「デジタル革命の木の低い位置にあるもぎ取りやすい果実は摘み取られ、次の大きな革新を生み出すための努力は行われているものの、あまりに少なすぎる」
ペイパルの創業者で、ベンチャーキャピタリストのピーター・ティールも投資家たちが世の中を変えるような発想への情熱を失い、携帯向けアプリやSNSでちょっとした進歩を遂げることに安住していると批判したと言う。
こうした批判がある中でベゾスの動きはとても興味深い。2013年8月に「過去の遺物」とも言えるワシントン・ポストを2億5000万ドルで買収したかと思うと、イーロン・マスクに先んじられた感はあるが、変わらず宇宙開発用ロケットの開発や他の惑星への移住を本気で考えており、2億ドルを投じて航空宇宙企業「ブルーオリジン」を設立した。そこには、莫大な私財をビル・ゲイツのように慈善事業に投じるのではなく、新たな産業を興したいという野望も見て取れる。
1994年、D・E・ショーの上級副社長だったベゾスに大きな転機が訪れた。ベゾスは小学校で初めてコンピュータに触れて以来、コンピュータを「20世紀に人類が生み出した素晴らしいツールだ」と高く評価してきた。プリンストン大学でもコンピュータサイエンスを専攻し、コンピュータ関連のクラスは全部とったというほどコンピュータにのめり込んでいる。
卒業後もファイテル、バンカーズ・トラスト、D・E・ショーでコンピュータのシステムづくりによって実績を上げている。そんなベゾスの人生と歩調を合わせるように、コンピュータの性能は飛躍的に向上、90年代にはインターネットの普及も進み始めていた。
今と違って使いこなせる人は限られていたし、ビジネスに活用して大儲けした人もまだいなかったが、インターネットの爆発的な普及はすぐそこに来ていた。
「ある仕事をなすには、それにふさわしい時代に生まれ合わせることが必要だ」はパナソニックの創業者・松下幸之助氏の言葉だが、早くから起業を考えていたベゾスも思い描いていた仕事にふさわしい時代に居合わせることになった。
【次ページ】誰も気づかない小さな変化にこそチャンスがある
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