- 2015/07/31 掲載
Windows 10のプロダクトに反映される、マイクロソフトの2大戦略(2/2)
IoT分野では、クラウドに接続するためのデバイス開発を支援
もう1つのポイントはIoTだ。いまや時代は、すべてのものがインターネットにつながるIoTの世界に入っている。マイクロソフトも、このトレンドに乗っている。西脇氏は「たとえば“Raspberry PI 2”といった小型基板でもWindowsが動く。OSとして“Windows 10 IoT Core”を提供し、コンパクトなデバイスに実装させ、.NET Micro Frameworkで開発できるようになる」と強調する。もちろんRaspberry PI 2には、振動センサーや赤外線センサーなど、多様なセンサーを取り付けることで、さまざまなデータを収集できるようになる。これらのデータをクラウド上に集めて管理し、高度なビッグデータ分析を行うことで、業務生産性の向上などビジネスに役立てられるわけだ。
「我々は、クラウドに接続するためのデバイス開発の手伝いをしたい。またデータ収集が可能なプラットフォームと、データ収集先のクラウドを用意し、それらのデータを分析する基盤も持っている。いま我々は、Azure上のIoTスイートを準備し、ユーザーに導入しやすい仕組みを考えている」(西脇氏)
マイクロソフトは、クラウドとIoTを組み合わせて何を実現しようとしているのか? 西脇氏は、その事例として、ロンドンの地下鉄を例に挙げて説明した。
ロンドンは地下鉄が十分に整備され、新しいインフラはほとんどつくられていない状況だ。そのため現在の資産を安全に長く運用していくことが重要になる。ロンドン地下鉄では、エスカレーター、エレベーター、券売機、改札、車両、照明、空調などがIoTデバイスになり、クラウドにコネクトしている。そのデータをクラウド側で管理し、資産価値を高めている。
何かインフラが故障すると、サービスレベルが下がる。また保安員を確保してアドホックに対応しなければならない。そこでロンドン地下鉄では、IoTでデータを収集し、ビッグデータ解析と機械学習により、故障が起きそうな事象を事前に察知することで、迅速な対応を図っている。
「ダッシュボード上で、駅施設の情報が分かる。たとえば、エレベーター部でアラートが上れば、そこをクリックするだけで、振動や電圧などのデータを閲覧できる。異常を検知したら、事故が起きる前に保安員をアサインして、該当する部品をもって修理してもらえる」(西脇氏)
最後に西脇氏は、このようなIoTとクラウドの活用事例を、イベントの主催者であるエムオーテックスのPC管理・情報漏えい対策ソリューションと結び付けて考えると、どうなるのか? という点について触れた。
「セキュリティ上の事故(インシデント)の予測がさらに正確になる。たとえば、あるデバイスのユーザーが一定の時間帯に大量データをダウンロードしていた。しかもアクセスポイントが会社ではない場所だった。情報漏洩の可能性があるかもしれない。あるいはログを見ると、カメラへのアクセスが多くあるのに、クラウドには画像が保存されていない。不審な挙動だ。このような事象を機械学習によって検出し、セキュリティに役立てられるだろう」
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