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モバイル、クラウド、IoT、ビッグデータ。会社規模を問わずあらゆる企業のIT環境は大きく変化しつつあり、ビジネスへの迅速かつ柔軟な対応が求められている状況だ。革新者サミット」に登壇した日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇 資哲氏は、同社が推進する戦略がWindows 10の機能としてどのようなかたちで実装されているかを解説。さらに、クラウドとIoTを組み合わせることで実現したロンドンの地下鉄の管理システム事例を紹介した。
セキュリティ、品質を高めたマイクロソフトのクラウド戦略
マイクロソフトは、1年半前にサティア・ナデラ氏にCEOが交代。社内における変革の歩みを大きく進めてきた。たとえば、9インチ未満のWindows OSのライセンスを無償化したり、これまで敵対視していたiPadやAndroid上で動くOfficeを発表したり、Oracle、Salesforce、IBM、Dropboxなど外部ベンダーとの連携も積極的に推進している。
そんなナデラ氏が打ち出した次の一手が「クラウド」と「モバイル・デバイス」の戦略だ。
ひとつ目の戦略、クラウドにおける中核的なサービスが、2010年1月に正式開始した「Microsoft Azure(以下、Azure)」だ。Azure上の仮想マシン(サーバー)は200万、Azure SQL(データベース)は140万、ストレージオブジェクトは50兆以上、Active Directoryユーザーは4億以上と急成長を遂げている。
2015年7月29日に正式リリースされたオペレーティングシステム「Windows 10」のプロダクトにも、クラウドを意識した機能が数多く実装されている。東京で開催されたエムオーテックス主催イベント「革新者サミット」に登壇した日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇 資哲氏は数ある機能のひとつを挙げた。
「最近ではクラウドからOfficeを利用しようという動きが高まっている。Windows 10では、高速な新ブラウザーとして"Microsoft Edge”が提供される。この上で、ドキュメントやワークシートを簡単に編集でき、これらのデータがクラウド上に保存される」
続けて西脇氏は「現在、生産的な仕事に従事する人の52%が3台以上のデバイスを使っている。デバイスのOSは、Windowsだけでなく、iOS、Andoridなど多様化している。いつでも、どこでも、どんなデバイスでもOffice 365を提供し、業務の生産性を維持できねばならない」と強調した。
さらに西脇氏は、最近の傾向として動画コンテンツの重要性が増していることを指摘した。
「ビデオは意思決定に役立つか?との問いに全体の9割がイエスと答えたという調査結果も出ており、管理職もビデオを好んで見るようになってきた。最新のOffice 365では、ビデオ項目が新しく加わっている」
ポイントは、クラウド上に保存されているビデオをストリーミングで再生することだ。しかも回線状況とクライアントのデバイス環境に応じて解像度が自動設定されるという。
「我々は、ロンドンやソチ・オリンピックの時代から、マルチデバイス向けにHDストリーミングで動画を配信してきた実績がある。1試合に最高210万ユーザーがアクセスするスケーラビリティを皆様に提供したい」(西脇氏)
Windows 10はマルチデバイスに対応
次に西脇氏は、同社のモバイル戦略について触れた。
Windows 10は、さまざまなデバイスで利用が可能になる。マイクロ基板から、80インチを超えるスクリーンまでの実装に対応している。たとえば小型では、スティック型や電源コンセントに挿すデバイスも登場。また同社が提供する12インチタブレット「Surface 3」もユーザーに好評を博している。スマートフォンに関しては、国内ではWindows Phone8.1の販売もスタートした。
一方、新たな大型デバイスへの対応として「Microsoft Surface Hub」を提供する予定だ。これは55インチ、あるいは84インチの大画面ディスプレイの2サイズがあり、内蔵カメラやセンサーによって、ホワイトボード、リモート会議、コンテンツ共有・編集など、チームでの自然なやり取りやコラボレーションを実現できるものだ。
「Microsoft Surface Hubは、ペンや指でホワイトボードの画面に情報を直接書き込みながら会議を行ったり、PC画面を表示させてプレゼンが行える。コミュニケーションを取りたい相手はSkypeで呼び出せる。会議が終了すると、その情報をスマートフォンに議事録として転送できる」(西脇氏)
【次ページ】Raspberry PI 2がWindowsで動くように
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