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- 2015/06/29 掲載
学習塾・予備校業界の売上ランキング、再編必至の「大学入試改革」とは
必ずしも「サンセット産業」とは言えないが
学習塾や予備校というと、一般の人には少子化が進む中で市場が縮小する一方の「サンセット産業(衰退業種)」のように思われがちだが、実態はやや異なっている。近年は、わずかではあるが市場は成長している。矢野経済研究所が2014年10月に発表した「教育産業市場に関する調査結果2014」によると、「学習塾・予備校」の2014年度の市場規模は予測値で9300億円となっている。2005年以降の直近の10年間では9,000~9,600億円の範囲内でほぼ横ばい。
もっとも、総務省統計局の「人口推計(各年10月1日現在)」によると、同じ10年間に10~14歳の人口は603.6万人から571.3万人へ5.3%減少し、15~19歳の人口は659.3万人から600.5万人へ8.9%減少している。それに対し、この業界は底だった2009年度の9000億円から5年間で3.3%のプラス成長をみせている。学習塾や予備校に通う10代の人口が少子化で減少する中で、まずまずの健闘をみせていると言うことができるだろう。
しかし、リーマンショック直後の低迷から持ち直したとはいえ、止まらない少子化、ジャストシステム、NTTドコモ、リクルートなど異業種も参入してきたオンライン通信教育の進出に加え、センター試験が廃止されて大学入試が「一発勝負」ではなくなり、マンガの『ドラゴン桜』も、今年の新語・流行語大賞有力候補『ビリギャル』も絵空事と化してしまうような入試制度改革が、4年後の2019年度から始まる。
学習塾・予備校業界にはこの先、非常に厳しい事態が予想される。もはや業界再編に生き残りをかけるしかないとM&Aの噂は活発に行き交っている。
「最後の砦」首都圏も陥落してしまっては
学習塾・予備校の業界地図は現在のところ、以下のようになっている。【次ページ】ベネッセの凋落、ネット通信教育の台頭、そして再編必至の「大学入試改革」とは
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