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先頃、都内にてソフトバンクモバイル接客No.1グランプリ2014が開催された。地区予選、地域予選を勝ち抜き、全国決勝大会の会場に駒を進めたファイナリストは15名。約1万5000人いる接客スタッフの頂点に経つ接客スタッフが選ばれる。全国決勝大会の様子を通して、こうしたイベントを開催する同社の接客戦略、人材育成方針についてお伝えしていこう。
実際の店舗を模したステージでロールプレイングを実施
決勝大会の会場となるホテルのホールを訪れると、ソフトバンクモバイルの店舗が再現されていた。接客カウンターが1席、実際の什器を使いモックアップも展示されており、雰囲気はよく知っている店頭そのものだ。この模擬店舗をステージに、来店客役を相手にした15分間のロールプレイングが行われる。細かい会話内容にはアドリブが多く含まれるものの、基本的なシナリオは事前に決まっている。2014年の今大会では、本イベント始まって以来初めて、クレーム対応からスタートするシナリオが採用された。受信感度が悪くインターネット接続が遅い、バッテリーの持続時間も短く使いづらいので解約したい。そう言って来店するユーザーから不満や要望を聞き出し、解約を思いとどまってもらうという現実味あふれる設定だ。
使い勝手の悪さに苛立つユーザー役の気迫はロールプレイングとは思えないほど真に迫っており、ロールプレイングを見ていて店員役の参加者に同情を感じてしまうほどだった。しかし、そこは地区予選、地域予選を勝ち抜いてきた敏腕スタッフたちだけあり、他キャリアへの転出を思いとどまってもらおうとあの手この手で説得を試みる。使い勝手の悪さについて謝罪をしつつ、その対策にソフトバンクモバイルがどのように取り組んでいるのか、最新機種ではどのように改善されているのかなどを丁寧に説明する。プラチナバンドなど多くの周波数帯に対応し、使い勝手が良くなった最新機種をおすすめする。さらに、別キャリアを使っている家族の契約をソフトバンクモバイルにまとめることで、現状より通信費を削減できる可能性を提示する。なかには、通信費を現状と同等に抑えつつ、iPadやモバイルルータを併用することでより便利な通信環境を実現できると提案する参加者もいた。
そこで展開されていたのは、おそらく実際の店頭でも繰り広げられているであろう光景だった。使われる機材も実際に店頭で使われるものと同じもので、iPadで料金シミュレーションを行い、ユーザーに示しながら説明が進められた。
こうした接客の様子を審査員たちが厳しい目で見つめ、その対応を評価していく。評価基準はあくまで顧客目線であり、顧客の不満をうまく聞き出せているか、要望に沿う改善提案がなされているかなどがチェックされる。見られているのは、売り上げや契約数といった単純な指標ではない。
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