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- 2013/01/25 掲載
店舗で不用意にWi-Fiできない時代が到来?米国で新たに登場した来客管理サービス
IPアドレスを収集しないライフログ管理
新しく提供を開始したEuclid Zeroは、スマートフォンなどが発するWi-Fiの信号を利用して、店舗や施設に訪れた人をカウントし、集計・解析するというクラウドサービスだ。店舗側は、Euclid Zeroに対応した企業向けの無線LANソリューションを導入すれば(あるいは導入していれば)、カメラや光学センサー、カメラ付きデジタルサイネージなどの専用の設備なしで、来店者数、初来店なのか再来店なのか、再来店の場合、その前はいつ来たのか、来店の頻度は、といった情報を把握することができる。また、解析レポートでは、収集したデータを時間、日にちといった単位で統計データの推移も見ることができる。
現状で、このサービスに対応しているWi-FiソリューションはAerohive Networks、Aruba Networks、Fortinet、Xirrusの4社である。来客をカウントする原理は、Wi-Fi接続をONにしたスマートフォンが、周辺のWi-Fiスポット(アクセスポイント)を探すための信号に含まれるMACアドレスを識別情報として利用する。
匿名性はどのように確保されているのか
この段階で端末は、アクセスポイントの無線LANやその先のWAN(インターネット)には接続していないが、端末固有のMACアドレスで顧客(端末)の識別は可能である。Euclid ZeroではMACアドレスのみを識別子として、来店を管理するので、IPアドレスや端末内の個人情報やアドレス帳などは取得・保存しないとしている。
さらに、同社は、このサービスを店舗が利用するにあたって、同社が設定するプライバシーポリシーに従うこと、ユーザーが容易にサービスのオプトアウトを選択できるようにすることなどに同意することを条件としている。
必要以上に個人情報を取得しないよう配慮がなされているが、反面、サービスを利用する店舗側にしてみれば、店に訪れたかどうかがわかっても、その人の性別や年齢、住所などの属性情報や、購入したのかどうかがわからなければ意味がないと思われるかもしれない。
この点についてEuclidは、店舗が独自のアプリを提供して、ユーザーが同意すれば、取得したMACアドレスからその端末のアプリに対して、クーポンや商品案内、履歴を利用したレコメンド、ターゲティング広告などを配信することを認めている。
【次ページ】考慮すべきは複合サービス全体のセキュリティ
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