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  • 2011/12/09 掲載

ドラッカーの企業生存説にみるBCP:【連載】変わるBCP、危機管理の最新動向

BCPは今後どうなる?

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災害リスク、信用不安、サプライチェーン危機などのリスクが複合化し、しかもそれぞれの対策が分断された状況のなかで、従来型のBCPは効果的に機能しえないことが判ってきた。こうした中で注目したいのが、かつてピーター・F・ドラッカーが、企業の自己目的が「企業利潤極大化」ではなく、「企業の生存」であるとする「企業生存説(theory of corporate survival)」だ。今回はこの企業生存説とBCPの関係をひも解きつつ、リスクガバナンスの統合的な枠組みとしての「BCP 2.0」についてみていこう。

ドラッカーが唱える企業生存説とBCPの脈絡

 私は20数年にわたってリスクマネジメントのあり方を研鑽してきたが、ここ数年、“リスクに対する意識”、“事業継続性に対する意識”を大きく変えていくことの必要性をひしひしと感じている。

 現代経営学や“マネジメントの発明者”であるピーター・F・ドラッカーは、企業の自己目的が「企業利潤極大化」にかわって、「企業の生存」であるとする「企業生存説(theory of corporate survival)」を唱えた。このドラッカーの企業生存説に関するコンセプトはBCP2.0と深い次元でつながっている。

 今後、次世代に向けたBCPのブラッシュアップ(BCP 2.0)を構想する場合、収益性や生産性という視点に加え、広い意味での「企業の社会的責任」、あるいは「経営管理者の能力と育成/労働者の業績・態度」の確保こそが重要な条件となるだろう。

 そして、ドラッカーが主張していた「企業は継続(ゴーイング・コンサーン)するために利益を得る。利益を得るために継続するのではない」、「企業が生存するためには、企業の生存に致命的な影響を与える各種領域ごとに一定の目標を設定し、この維持に最低必要な成果を確保すること」という原則、そして事業継続計画/事業継続管理の原点をいまいちど噛みしめる必要があろう。

photo
図 ドラッカーの企業生存説と存続目標の体系

【次ページ】今日の危機的な状況をドラッカーが観察したとしたら…
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