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- 2011/05/19 掲載
ITが切り開く地方経済(広島県編):IT活用の3つのキーワードとITでベンチャーから上場企業へと躍進を遂げた2つの企業
カルビー、ダイソー、青山、ユニクロなどを輩出
これまで取り上げた県の位置
児玉 学(こだま がく)
ITコーディネータ、ITCインストラクタ、中小企業診断士
1963年広島県呉市生まれ。大学卒業後、大手情報出版社グループ、大手経営コンサルタント会社、都市再開発コンサルタント会社勤務を経て、
1999年経営コンサルタントとして独立。2000年ファインサポート設立、代表取締役就任。2004年 ITコーディネータ有志数名とともにNPO法人ITC広島設立。副理事長就任。2009年 有志数名とともにNPO法人中四国マネジメントシステム推進機構(MS機構)設立。理事就任。現在、「企業と人と街を元気にする」をモットーとして、広島県内外の中堅・中小企業を対象に積極的なコンサルティングやセミナー活動を行うとともに、広島市の事業見直し委員や都市計画審議会委員などを通じて行政活動への発言も行っている。
カルビーやダイソー、ユニクロなどの発祥の地
広島県は、人口286万人・面積847万㎡で中国地方瀬戸内沿岸3県の真ん中に位置する。西部の広島都市圏と東部の備後都市圏を中心に工業・商業が盛んである一方、海・山の豊富な自然に恵まれ農業・漁業も盛んな土地柄である。工業は、戦前に軍都・軍港として栄えた関係上、戦後もその軍用地や施設跡地・臨海部埋立地を生かした自動車・造船・鉄鋼などの製造業城下町が瀬戸内海沿岸各地に形成され、発展を遂げてきた。しかし、近年は親会社である大手メーカーの多くがグローバル展開を進めており、地場下請け企業の中にはコストダウン要求や海外展開についていけずに規模縮小や廃業に追い込まれる例も散見される。一方で、取引先を親会社から、より広範囲に拡げて成功する例や、独自の視点で自らがグローバル企業化することで、新たに発展する例も見られるなど、成功組と失敗組の2極化が顕著である。
商業分野では、スナック菓子の「カルビー」、紳士服大手の「青山商事」、全国トップクラスの100円ショップチェーン「ダイソー」、家電大手の「エディオン(当時のデオデオ)」などの発祥の地であるほか、ユニクロ(ユニーク・クロージング・ウエアハウス)が最初にできたのも当県であり、製造業同様果敢にチャレンジする企業風土が特徴的だ。
中四国一の繁華街である広島市を中心に、消費地としても賑わいを見せているが、郊外型の大型ショッピングセンターの林立により、地方都市の商店街は軒並み衰退、旧市街地の空洞化が進んでいる。現在県内各都市部では、主要駅前の再開発を基軸に、新たな市街地再活性化を推進しているところである。
農業・漁業は、牡蠣などの養殖魚介類・島しょ部でのかんきつ類、山間部での野菜や肉牛などが有名。牛肉・オレンジなどの輸入自由化で、一時はその存続自体が危ぶまれたが、現在は独自性の高い商品の開発などを通じ、小規模ながら頑張っている農家も多い。
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