富士通は、那須工場におけるモバイルシステム製品（無線基地局装置、多重無線装置など）の製造・品質保証機能を、同社の完全子会社で、国内市場向けフォトニクス製品（光伝送装置など）の開発・製造を担う富士通テレコムネットワークスに移管し、小山工場にて両製品の製造・品質保証機能を集約・統合し、製造インフラを一元化する方針を発表した。

　これにより、両製品の製造効率化を進め、ネットワーク事業の体質を強化するとともに、モバイルシステム製品、フォトニクス製品のそれぞれで培った製造・品質の技術・ノウハウを相互の製品製造に活かす方針だ。

　従来、富士通グループでは、携帯電話基地局装置を中心としたモバイルシステム製品を那須工場で、光伝送装置を中心としたフォトニクス製品を小山工場でそれぞれ製造していたが、 近年のスマートフォン普及による通信トラフィックの増大や、次世代通信方式であるLTEのサービス開始に向けて拡大が見込まれるなどの市場変化とともに、モバイルシステムとフォトニクスの製品境界が徐々になくなりつつあることにより、2011年9月末完了を目処として、モバイルシステム製品の製造・品質保証機能を小山工場に移管し、製造インフラを一元化する方針を決定した。

　今回の製造部門の再編・統合に伴い、小山工場の製造スペースを一部拡張し、モバイルシステム製品の製造ラインを那須工場から移管し、モバイルシステム、フォトニクスの両製品に対応できる製造体制を構築する。また、両ネットワーク製品の製造拠点統合により、物流業務や倉庫業務の合理化を進めるとともに、共通業務を集約することで業務効率化を推進する。

　なお、那須工場は、富士通グループにおけるスマートフォンを含めた携帯電話端末の主要製造拠点として製造体制を強化していく方針だ。