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- 2010/05/12 掲載
AR(拡張現実)の5つのタイプと16のビジネスモデル【○○はビジネスになるか(10)】
「ポピュラー-ニッチ」「商業価値低-高」でマッピング
全高80メートルの「エヴァ」がARで出現
ゴールデンウイーク前の4月23日、芦ノ湖北岸に位置する神奈川県箱根町の旧仙石原中学校に、高さ80メートルの実物大「エヴァンゲリオン初号機」が出現した。といっても前年の「お台場ガンダム」のような実物大模型ではなく、“仮想のエヴァ”である。これはARを利用したローソンのイベントによるもの。現実の中学校の校庭には何もないのだが、iPhone向けに配布された専用アプリケーションをインストールすることで体験できた。その場でiPhoneをかざして見ると、巨大なエヴァが、そこに立っているように見えて、周囲を回りながら、前面、背後の姿を見上げるように体感できるという仕掛けだ。
イベントは、連休を挟んで5月17日まで開催する予定だったのだが、残念ながら最初の日曜日の4月25日で中止になってしまった。予想をはるかに上回る来場者があって、会場周辺が大混雑することが分かったためである。だが、このイベントは、ARが一般ユーザーに広く知られた最初のものとして歴史に残りそうだ。
着々と増える製品・サービス
AR自体は、既にいくつか製品やサービスが利用できるようになっている。有名なのは、同じくiPhoneアプリになっている頓知・(トンチドット)の「セカイカメラ」だ。その場所にひもづけられた画像、テキストなどを、iPhoneの画面で見ることができるサービスで、一部のiPhoneユーザーの間で評判となり、海外からも注目された。ARは「現実の環境から知覚に与えられる情報に、電子情報を重ね合わせる技術」と定義される。1990年ごろから本格的に研究が行われており、日本でコンシューマ向けの製品として初めて登場したのは、1998年発売のソニーの初代「VAIO C1」にバンドルされた「CyberCode Finder」とされている。“実世界指向インタフェース”を提唱して世界的に知られる暦本純一氏が開発したものだ
実世界指向インタフェースとは「コンピューター内のデータと現実の事物の間のギャップを最小にすることによって、コンピューターを意識せずに透過的な存在として活用する手法」で、ARはその1分野と位置づけられる。「CyberCode Finder」は、内蔵ビデオカメラで独自の2次元バーコードを認識すると、キーボードレスにプログラムが起動するというもので、バーコードのIDと三次元的な位置や向きを取得させるARマーカー技術で、CGなどの情報を画像に簡単に重ね合わせることができる。
【次ページ】ARの5つのタイプと16のビジネスモデルから、次のARビジネスを考える
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