• 2010/02/03 掲載

NECとNRI、金融機関向けオペレーショナル・リスク管理における標準フレームワークを共同で構築

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野村総合研究所(NRI)と日本電気(NEC)は、金融機関におけるオペレーショナル・リスク管理の高度化を実現するため、業務要件や各種データ分析手法の標準フレームワークの構築を共同で開始した。

 野村総合研究所(NRI)と日本電気(NEC)は、金融機関におけるオペレーショナル・リスク管理の高度化を実現するため、業務要件や各種データ分析手法の標準フレームワークの構築を共同で開始した。

 オペレーショナル・リスクとは、金融機関における複雑化する取引や、想定外の重大な事務ミス、広大な影響を及ぼすシステムトラブルなど、金融機関の業務に関するリスク事象のこと。ただ、このオペレーショナル・リスクは新しい定義であり、管理要件の業界標準の考え方がまだないのだという。監督当局は、各金融機関が創意工夫をして、自主的に高度化の検討を進めるよう促しているものの、金融機関が独力ですべての業務要件を定義するには限界があった。

 NRIはこれまで、金融機関に対し、バーゼルIIや「ソルベンシーII」(保険会社に対する新しい財務健全性基準)に対応したオペレーショナル・リスク管理体制を構築するためのコンサルティングサービスを提供していた。またNECでは、同リスクの分析手法の研究に長年取り組んできており、その計量化コンサルティングサービスを提供している。両社は、オペレーショナル・リスクに関するこれまでのノウハウを活かし、共同で標準フレームワークを構築するという。

 また、NRIとNECは共同で、実務家や有識者、研究者が集う「オペレーショナル・リスク管理高度化研究会」を、今年1月から半年間の予定で開催している。本研究会では、実務家のみならず、バーゼルIIの制度設計に携わったメンバーらが、実務への適用実現性を重視しながら、あるべき業務要件のレベル・幅を議論し整理しているという。

 議論のテーマは、損失データの取り扱いと分析手法、潜在リスクを管理するためのシナリオ、リスク削減の効果を向上させる内部統制の仕組み、運用負荷を軽減させた計量モデル、事務改善や企業価値向上への効果など。最終成果は、2010年中を目処に取りまとめる予定。

 NRIとNECは、本研究会の成果も踏まえ、オペレーショナル・リスク管理高度化のための標準フレームワークを2010年中に完成する予定だという。この標準フレームワークは、金融機関を対象に、NRIのシステム・ソリューションやNECのリスク分析サービスとして、順次、提供していく。

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