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  • 2010/02/01 掲載

テラデータのデータウェアハウスが企業にもたらすメリットとは

全社でひとつの情報を見て、正しくスピーディな意思決定を

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情報が単なる記録ではなく、ビジネスの次の一手を決定するための重要な指標になることは、誰にも異論はないだろう。しかし、その情報をどう集め、どう分析すべきかという具体的な方法については、まだ広く浸透しているとは言い難い印象がある。今回はデータウェアハウス業界において長い歴史と高いシェアを誇る日本テラデータを訪ね、マーケティング統括部 統括部長の中村 博氏に、情報分析にデータウェアハウスがもたらす効果をうかがった。

専業ベンダとして業界をリードしてきたテラデータ

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日本テラデータ
マーケティング統括部 統括部長
中村 博氏
――日本テラデータはデータウェアハウス(DWH)専業ベンダとして多くの企業にソリューションを提供していらっしゃいますが、初めからDWHのみを作り続けてきたのでしょうか?

 はい、1979年にカリフォルニアで創業して以来、大量のデータをいかに処理するかを考え続けてきました。創業当初、世間で使われていたデータ量の単位はキロバイトか、せいぜい大きくてメガバイトでした。その当時から、いずれテラバイト級のデータを普通に取り扱わなければならない時代が来ると予想し、そうした大量データ時代にも活かせるデータ分析ソリューションを提供したいという思いが、社名にも込められています。現在では日本国内のDWH出荷額の約8割はテラデータと言われており(ITR「ITR Market View:DBMS/BI市場2009」DWH用DBMSアプライアンス市場ベンダー別出荷金額シェア(2008年度)による)、世界でも大手企業を中心に厚い支持をいただいています。

実は、DWH製品を販売すること自体がテラデータのゴールではありません。テラデータのゴールはあくまでもお客様のビジネスの売上向上、これは創業以来変わっていません。売上向上のためには、顧客満足の向上とコスト削減の両方を満たす必要があります。そのために必要なハードウェア、ソフトウェア、コンサルティングを提供し続けてきました。売上を増やしていただくためにはただ単に製品を提供するだけではなく、それを使いこなしていただかなくてはなりませんから。特に業種別コンサルティングは、導入先のお客様とともに常に最新のビジネス事情を学ばせていただいていますので、膨大な経験とノウハウをベースにお客様1社ごとに適したソリューション選択、DWHのビジネスへの活かし方をご提案できます。

量、質ともに変化するデータを活かし、ビジネスの変化に追随する

――DWHは注目のキーワードとして挙げられることも多くなりましたが、その背景にはどのような変化があると感じていらっしゃいますか?

 企業が情報の価値に気付き始め、近年はPOSの導入やポイントカードの配布など情報収集のプラットフォーム整備に力を注いできました。情報が集まるようになった今、その情報をより有効活用する方法を模索しはじめています。「顧客」から「個客」の時代へと移り、細かい分析が効果を発揮するようになりました。たとえば小売業ではどの時間に、誰が、何を買ったのかを分析することで、仕入れや販売に関して現場でより有利な意思決定が可能になります。  ビジネスは複雑化していくと同時に、スピードも増しています。スピード向上に対応するためには経営層の判断を待って現場が動くのではなく、現場での判断が重要視されます。先ほどの小売業を例に挙げるなら、経営層は企業全体としての方向性を打ち出し、仕入れや商品の売り方などは現場に判断を委ねていくことでスピードを向上できるでしょう。そしてそのためには、現場に判断を委ねると同時に、判断基準となる情報を与えて行かなければなりません。正しい情報に基づいた正しい判断をすることで、これまでは経験と勘に頼っていた現場運営に論理的な戦略を取り入れることができます。

全社の情報をEDWに集約し全社で活用する

――現場を含めて全社で正しい情報に基づいた正しい判断を行えるよう、情報を分析して活用していくべきだということですね。

 そのとおりです。それをテラデータではEDW(Enterprise Data Warehouse:エンタープライズデータウェアハウス)と呼んでいます。組織ごとにそれぞれの用途で情報を分析するのではなく、全社の情報を1カ所に集約して横串で分析し、社内の情報を縦横無尽に活用すべきだという考えです。

――EDWについてもう少し詳しく教えてください。

 EDWは、現在各部署で集め、保存、活用している情報をひとつのDWHに集約し、その情報を全社で活用する仕組みです。部門など用途別にシステムを導入した場合は資源の無駄が生じるだけではなく、同じ項目のデータが別のデータベースに重複して存在したり、それらが更新タイミングのズレによって違う値を持つ危険性があります。違う情報に基づいて各部門がそれぞれ違った方向の判断を行ったら、企業全体として効率の良い施策は進められません。全社の情報を1カ所で管理、分析すれば、全員が同じ判断基準で物事を決定できます。

 とはいえ、EDWは簡単に実現できるものではありません。そもそも他ベンダの製品の多くは、大企業の情報すべてを収容して、なおかつ全社から寄せられる情報分析にレスポンスよく応えられる性能を備えていません。DWHの一元化によるメリットを自信を持って語るベンダがほかにないのは、実際にはレスポンスなどの要件を満たすために用途ごとに分割してDWHを構築せざるをえないからです。大容量のデータを意識して作り続けたテラデータだからこそ、自信を持ってEDWの良さを強調できるのです。世界最大の導入例としては、5PB級のDWHの構築例もあります。このDWHは実際に安定的に稼働しており、導入企業の日々のビジネスを支えています。

 また、情報を取り扱う部門間の壁やコスト、コンプライアンスなどの課題もあり、EDWはどの企業にも簡単に導入できるものではありません。そうした課題を持つ企業には、まず小型のものから導入してステップごとに拡大していくという方法もおすすめです。特定の用途にのみ導入して次第に大型のものへとステップアップしていったり、部門単位でまず導入して次第に影響範囲を拡大したりすれば、使い方を研究しながら効果を実感しつつEDW実現に向けて取り組めます。業種や業態によって拡大ステップは異なりますが、それらはテラデータの業態別コンサルタントがしっかりバックアップします。テラデータの製品は世代を超えて互換性を確保しているので、数年をかけた拡張プランでも安心して進められるのです。

――「Teradata for Everyone, Everywhere」というキーワードを提唱していらっしゃいますが、これもEDWと関連するのでしょうか?

 テラデータが提唱する「Teradata for Everyone, Everywhere」という言葉は、もちろんEDWと関連があります。全社の情報をすべてEDWに集約し、それを社内のすべての人が、すべての場所で活用していきましょうというメッセージです。そこに向けて、先に紹介したようなステップ・バイ・ステップの導入なども検討していただきたいと思います。テラデータではそのために、適材適所で利用していただける製品ラインアップの拡充にも力を入れています。たとえば、これまで大型で高価が故にDWH導入を諦めていたような部門単位での情報分析のために、小型な低価格モデルをご用意しています。また、新たな用途としてデータ量は大きいが高度な分析はそれほど必要ないという用途に向けて、分析能力よりもデータ容量の拡大を主眼として開発した大容量モデルをご用意しました。

――容量は大きいけれど高い分析能力は求められないとは、具体的にどのような使われ方が想定されているのでしょうか?

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「大容量のデータを意識して作り続けた
テラデータだからこそ、自信を持って
EDWの良さを強調できるのです。」
 記録として保存することが主目的の情報を、限られた方が低い頻度で分析するような用途を考えています。わかりやすい例としては、ログが挙げられるでしょう。トレーサビリティというワードが一般化し、コンプライアンスや顧客への説明責任などが企業に求められるようになり、企業には多くの証跡、つまりログが保存されるようになりました。ほとんどの企業ではこうしたログは、ただ単にHDDやテープなどのストレージに保管されていることと思います。インシデント発生時には、大量のデータの中から必要なデータを探し出し、それをコンピュータに呼び出し、目的の情報であることを確認した上で情報分析を行います。データ量が多くなればなるほど、これらの作業には時間がかかることになるでしょう。これがDWHに収められていたら、インシデント発生後すぐに必要なデータの分析に取りかかれます。もし顧客情報を取り扱うような部門でのインシデントだった場合、こうした初期対応はその後の企業イメージを大きく左右します。

 インシデント発生時に限らず、いつでも分析できる状態になっていればその情報は単なる荷物ではなく、企業の意思決定を支える資産として活用できる可能性を持つのです。せっかく集まっている大量の情報を、何の活用もせずにため込んでおくのは、とてももったいないことです。

規模、用途に応じたラインアップで、適材適所での情報活用を支援

――では、DWHの製品ラインアップについてもご紹介くださいますか。

 6TBまで対応する最も小型なデータマート・アプライアンス 551をはじめ、140TBまで対応する中堅モデルでDSS(Decision Support System:意思決定支援)のエントリー向けのデータウェアハウス・アプライアンス 2555、EDWとして全社の情報分析に応えるアクティブ・エンタープライズ・データウェアハウス 5555まで、規模と用途に応じてお選びいただけるラインアップをご用意しています。アクティブ・エンタープライズ・データウェアハウス 5555は最大10PBと余裕の大容量に対応し、日々寄せられる大量のクエリを安定的に、しかもレスポンスよく処理する能力を備えています。

 これらとは別に、情報分析能力よりもデータ容量を多く求められるシーンに向けて、エクストリーム・データ・アプライアンス 1555をラインアップしました。情報分析能力を低めに抑えたほか、使用するストレージも、速度より容量を重視してパーツを選定することで、低価格ながら最大50PBという大容量を実現しました。

 今後も、より情報鮮度を求める方に向けた製品などを開発し、ラインアップを拡充していく予定です。

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図:Teradataのプラットフォーム・ファミリー
エントリーレベルからエンタープライズレベルまでをラインアップ



――最後に、DWHについてもっと知りたい、学びたいという方に向けて情報収集の場についてご紹介いただけますでしょうか?

 2010年3月5日に、東京港区のANAインターコンチネンタルホテル東京において「Teradata Universe Tokyo 2010」が開催されます。製品情報や技術情報だけではなく、ユーザー事例も多数紹介する予定です。現在すでにDWHを導入していて、うまく使えていないと感じている方や効果がいまひとつだと感じている方には、ぜひご来場いただきたいイベントです。数あるユーザー事例セッションの中から興味のあるセッションをいくつか受講していただくだけでも、DWH活用のヒントを得られることは間違いありません。活用方法を知らずにDWHの効果を見限らないで、ぜひ、テラデータのDWHならどのようなことが実現できるのか、知っていただきたいと思います。DWHをうまく活用すれば、テラデータの製品であれば、こんなことができるんだと知っていただくだけで、状況も意識も変わると思います。

 最新情報にキャッチアップするだけではなく、DWH自体をご紹介するベーシックなセッションもご用意しています。DWHをこれから理解したい人、この先で導入を考えている人にとっても、DWHを学んでいただける良い1日になるはずです。

――ありがとうございました。



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