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IBMがグローバルのCIOを対象に行った調査結果「IBM Global CIO Study 2009」によれば、日本のCIO162人を含む78か国2,500人を越えるCIOが最重視する将来のテーマは、ビジネス・インテリジェンス(BI)だったことが明らかになった。
同調査は、今年1月から4月にかけて行われた。グローバルで約8割、日本で約7割のCIOがBIを取り組み検討分野にあげているという。
調査では、日本のCIOと世界のCIOの調査結果を比較。日本では、ビジネスモデルの変化に対応が必要、多大な変化が必要と考えているCIOが多く、変化の要因としてグローバル化と人材スキルを重視していることが明らかになった。具体的には下記の7つのとおり。
1. ITの役割
日本はグローバルに比べて、ビジネス側がITの役割を「事業および企業ビジョンの具現化」よりも「ITサービス提供」に、より軸足を置いてみている。
2. CIO活動時間とIT予算の配分
日本はグローバルに比べて、新しいテクノロジーの導入やビジネス・イニシアティブの実行に配分する、CIOの時間も予算も少ない。
3. 将来の重点テーマ
上位3つ(ビジネス・インテリジェンス、仮想化、リスク管理とコンプライアンス)はグローバルと共通だが、クラウド、SaaSや全社横断的な人材開発については日本の方が積極的。一方、セルフサービスポータルやソーシャル・ネットワーキングなどは、グローバルに比べて積極的ではない。
4. CIOの役割と責任
日本はグローバルに比べて、CIOがITを専担する役員である割合が大幅に少ない。
5. ビジネスとITの融合
グローバルでは、「ビジネスとITの融合」の実践レベルと、企業の成長実績との相関関係が高いが、日本ではその相関が低い。
6. CIOの行動様式
日本はグローバルに比べて、組織を活性化するITサービス提供者の特性値が大きく、洞察力に富んだ先見者、協業するビジネスリーダー、有能な実務者の特性値が小さい。
7. 外的要因の認識
日本はグローバルに比べて、今後3年間でIT部門に最も大きな影響を与える外的要因として、人材スキルを重くみており、IT部門は相当大きな変化を必要としているという認識をより強く持っている。
そのほか、グローバルで高成長を遂げている企業におけるCIOの行動として、以下の6つの特徴が明らかになったという。
1. 洞察力に富んだ先見者
ビジネス戦略実現の推進者として積極的に活動し、イノベーション実現のためにビジネスとITの融合を積極的に進めている。
2. 有能な実務者
イノベーション推進のために、社内、あるいは、取引先や顧客とのコミュニケーションを行うための様々な方法を実現したり、情報の共有や活用を行うためのテクノロジーやサード・パーティーの業務/ITサービスの利用を推進している。
3. 見識ある価値創造者
企業内に蓄積されたデータを有用な情報へと積極的に加工している。また、将来に向けてさらに統合化された情報をより効果的・効率的な手段で入手・提供することによる顧客関係の強化の必要性を認識している。
4. あくなきコスト削減追求者
インフラの高度な統合・集約だけでなく、ビジネスプロセスを標準化し、統合することによるコスト削減の実現を考えている。
5. 協働するビジネスリーダー
事業部門のリーダーの戦略立案に深く関わっており、ビジネスに対するITの貢献について、経営陣から非常に高い評価を受けている。
6. 組織を活性化するITサービス提供者
ビジネスとテクノロジーのイノベーション実現を推進するための専門家チームを設立し、効果的に新しい施策の導入に取り組んでいる。
さらに、この調査結果に日本IBMおよびIBMビジネスコンサルティング サービス(IBCS)が独自に業種横断の分析を加えた考察によれば、CIOの行動が企業の高成長に最も影響しているのは金融・保険業であり、次いで、旅行・運輸業と製造業だったという。また、企業規模別では、大企業に比べ中堅企業の方が、CIOの行動と企業の高成長に大きな相関があることが判明したという。
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