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- 2009/10/07 掲載
「デモシカIT」から「これこそIT」へ:中堅・中小企業市場の解体新書(5)(2/2)
「これこそIT」の代表例は戦略的ITと称される概念のシステムは数々あるが、以下に02年と09年の7年間でどう変化したかを列挙しよう。
このようにいわゆる「これこそIT」のような“戦略的用途”なITは極めて低い導入率に留まっている。そもそも“戦略的用途”というものが、現在の日本を賑わしている「ハコモノ」のようなパッケージ製品で実現できることに大きな疑念があり、ソリューションが戦略的であるのではなく、運用する主体が戦略的であればこそ、ツールとして活用するITが戦略的に機能しているということになる論理は誰の目にも明らかであるはずだ。
その他にも、SaaSやクラウド、SOAなどいろいろあるが、要素技術やインフラ、概念なので、あえてここでは触れない。ただしBI(ビジネスインテリジェンス)などはCRMなどと関連して極めて重要なソリューションといえる。ただ中堅・中小企業向けへの真剣なアプローチがほとんど見られないのが残念だ。正確に言えば、中堅Mクラス(年商100億円)以上へは導入を進めてきている程度だ。
「小さく入れて大きく育てる」とか「身の丈にあったIT導入を」という美辞麗句に惑わされてはいけない。現状の経済環境下で、絞りに絞って、本当に自社にとって必要な事業のコアは何か、それにとって必要なアシストする要素、ツールは何か、そしてその役割に見合ったITは今自社にないのか、あるが使いこなしていないのか、必要ないのかなどの厳しい目を持って見直すべき時期に入ってきている。
「デモシカ」や「とりあえず」のようなITは必要ないし、しかもそんなお粗末な提案しかできない販売店やベンダとの関係性は、冷静に見極めなくてはならない。企業は、IT担当者だけでなく、経営者が一歩踏み込まなくては、この状況を変革することは難しいだろう。
“スマート”という言い方は、中堅・中小企業に響かない視点なので支持しにくいが、悩みを共有できて、解決するための提案をしてくれる販売店、ベンダはいつの時代も不変の存在である。
販売店に言いたい。いい加減「ハコモノ」提案はやめるべきだ。企業はどうやって売上を伸ばすか、顧客を増やすか、事業コアに関わる話をできる相手を望んでいることは明らかなのである。経営者に響く提案を心掛ける時期は今しかないだろう。
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