• 2007/09/13 掲載

【鈴木健氏インタビュー】 ダメな会議をなくす方法―「会議下手」が会議の本を書いた理由

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『究極の会議』(ソフトバンククリエイティブ・刊)の著者である鈴木健氏は、以前は会議が苦手だったという。なぜ会議についての本を書くにいたったのか。鈴木氏のインタビューをお届けする 。

【コラム】ダメな会議をなくす方法―「会議下手」が会議の本を書いた理由
『究極の会議』
――『究極の会議』を読ませていただいたのですが、ほとんどのことは本書のなかで明晰に説明されているので、実は著者インタビューといわれても一体なにをうかがったらよいのか困ってしまったのですが……(笑)。

鈴木健氏■
僕の言いたいことはこのなかに全部入っているので、あらためて話すことは特にありません、みたいな(笑)。


――でも、さすがにそれではインタビューにならないので、まずはこの本を書くきっかけというのをうかがえますか。まえがきには「会議が苦手だった」と書かれていますが、そんな鈴木さんがどうして会議についての本を書くにいたったのでしょうか。

鈴木氏■
もともと僕は脱線しやすい性格なんですね。人と議論をすると夢中になってしまって、本来何をやらなきゃいけないのか忘れてしまう。会議が終わる時間になっても結論が出ていない。そういうことが結構あったんですね。でも、みんな貴重な時間を割いて集まっているわけじゃないですか。それなのにズルズルと何も決まらないまま終わらせてしまうというのは、仕事全体に悪影響をおよぼしてしまっているんじゃないか。これはどうにかしなきゃいけないな……というのが、問題意識を抱いたきっかけでした。


――トピックがあちこちに飛んでしまって、いつまで経っても結論が出ないわけですね。本書では「蝶々型の議論」と表現されていますが。

鈴木氏■
脱線すること自体は僕も好きなんですよ(笑)。ただ、一参加者として脱線してる分には気分がいいですけど、逆に自分が会議をコーディネートする立場になったときに、話がどんどん脱線していったらたまったもんじゃないですよね。そこで、参加している人たちが無意識のうちに、会議全体がどういう方向に向かっていて、何を結論として出さなきゃいけないか、決定されるようなやりかたはないのかと考えて、それで議事録を書くという方法を思いついたわけです。でも、実はすでに、結構いろんなところでやられていたという(笑)。


――議事録をつくるという発想自体が、日本の企業にはいままであまりなかったような気がするんですが。

鈴木氏■
いや、そんなことはないですよ。大企業ならだいたい、必ず議事録をつくるという、そういう文化自体はあると思うんです。ただし、その議事録を送るのが会議が終わって三日後だとか、タイムラグがあって。だから、次の週にまた会議をすると、議事録の確認に30分くらいかかったりしてしまうし、解釈の齟齬も発生してくる。たとえば、別の会社同士や部署同士で会議をしたあと、その議事録をどちらかが書くことになったとしますよね。それで議事録を書いて、次の会議で確認をすると、「ナントカさんはこう言っていましたよね」「いや、そうじゃない」とか、解釈が違ってくるなんてことがよくあるわけです。だけど前の会議中に本人に確認しちゃえば、そんな無駄は発生しない。そういう無駄を徹底的に排除できないかということで、議事録を会議中に書いてしまうという方法を思いついたわけです。


――それが「議事録ドリブン」ですね。

鈴木氏■
実際に議事録を書きながら会議をやってみると、単に無駄が排除されるだけではなく、いままでなかなか決まらなかったことがすぐに決まるようになるという傾向が強くなってくるんです。それはやはり、みんなで議事録を見ながら会議をすると、共同作業をしてるという意識が強くなるからでしょうね。また、みんなで同じものをつくっているという気持ちになるから、政治的な対立も起こりにくくなる。そんなふうに、予想外にいろんないい効果があったので、これは流行らせたほうがいいなと思ったんです。


――ちなみに、はじめはどんなツールを使われていたんですか。

鈴木氏■
最初は、メモ帳とかWordとか、テキストデータでやっていたんですけど、だんだん、こういうことができればもっと便利になるだろうと思って、ツール化することにしたんです。


――それが「Sargasso eXtreme Meeting」(Sargasso XM)になるわけですね。

鈴木氏■
そうです。ただ、ひとつのツールに束縛されるのではなくて、いろんなツールが出てきたほうがむしろ世の中はよくなるんじゃないかと思うんです。だから、ツールよりもまずは概念として、こういうやりかたをするとこんないいことがありますよ、というふうに広げていくべきだと。それは桜井通開氏から言われたんですけど。この本を書いたのは、そのことも大きいですね。
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