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- 2024/02/20 掲載
年収5000万越え多数のAI求人、他の職種と「エグい給与格差」が生まれる納得理由
AI関連の職種は「高給取り」?
オンライン調査を専門とするBizreportのレポートによると、米国では、AI関連の求人は求人数が増加していることに加え、給与がほかの職種に比べ77%以上高くなっていることが判明した。州・地域によっては、その差が100%を超えるケースも確認されたという。このレポートは、2023年に米国で最も利用されている求人プラットフォームのうち、8つのプラットフォームの求人情報を分析したもの。各プラットフォームで、「AI」、「機械学習」、「ディープラーニング」、「コンピューター・ビジョン」、「自然言語処理」のキーワードによりAI関連の求人を振り分け、職種名、給与、場所、職種レベルなどの要素を抽出・分析した。
分析の結果、AI関連職種における給与水準は、ほかの職種に比べ平均77.53%も高いことが判明。またこの差は、エントリーレベルになるほど拡大する傾向も明らかになった。シニアレベルでの給与差は48.61%、ミドルレベルでは55.77%、これに対しエントリーレベルでは128.23%という差になったという。もしほかの職種におけるエントリーレベルの平均年収が5万ドルであったとすると、AI関連職の年収は11万4,115ドルになる計算だ。
AI関連職種とその他職種における差は、州・地域ごとに異なる傾向も判明した。この差が最大となったのは米・準州となるグアム。AI関連職種における平均年収は14万ドルだったのに対し、その他職種における平均年収は5万2,535ドルと167%の差となった。
このほか、ヴァージン諸島で152%、サウスカロライナ州で140%、プエルトリコで136%、コネチカット州で122%、ウィスコンシン州で109%、オクラホマ州で108%、ワイオミング州で107%、ルイジアナ州で104%、フロリダ州で100%の年収差となった。
「AIインパクト」とは何か
同レポートでさらに詳細な分析を行ったところ、AI関連職がテック職と非テック職の給与差を拡大する要因になっていることも明らかになった。たとえば、ワイオミング州では、AI関連職を除くテック職と非テック職の給与差を調べたところ、AI関連職を除くテック職の給与が非テック職に比べ27%高いことが分かった。これに対して、AI関連職をテック職に含んだ場合、その差は94%に拡大するという。
ワイオミング州の非テック職の平均給与は約6万9000ドル。これを前提とすると、AI関連職を除くテック職の平均給与は8万7630ドル、一方、AI関連職を含めたテック職の平均給与は13万3860ドルとなる。
Bizreportは、AI関連職を除くテック職とAI関連職を含めたテック職の給与差を「AIインパクト」としており、AIが給与格差を拡大する要因になっていると指摘している。
このAIインパクトはワイオミング州が67%(94-27)で最大となり、これにアラスカ州とコロンビア地区が64%、ノースダコタ州が58%、ハワイ州が53%、コネチカット州が52%などと続く。全米のAIインパクトの平均は36%となる。 【次ページ】2年後には求人数「10万件越え」も
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