- 2007/02/09 掲載
【ITキーパーソンインタビュー(3)】他社から学び、自分たちを変えていける企業が成功する--SAP 神戸氏(2/2)
SAPジャパン バイスプレジデント 営業統括本部 地域営業本部 神戸利文氏インタビュー
─―ERP製品は他にも数多くありますが、SAPならではの価値はどこにあるとお考えでしょうか?
SAPには、大きく4つの強みがあると思います。1つ目は「リアルタイム」です。社内で今、何が起きているのか、それを全社の人がリアルタイムに見えるようになり、迅速な経営判断ができるのがSAPのERPパッケージです。また、それを実現するのに重要なのが「1 Fact, 1 Place」という概念です。
SAPのソリューションは、「事実は常に1つしかなく、その情報は1ヵ所にしかない」という概念のもと、どこかで新しいデータが入力されると即座にすべての関連データが更新されます。
完全に連結されていないシステムの場合、情報変更からバッチの実施までの間には違う数字が違う場所に存在することになります。これでは、「リアルタイム」に企業の「今」を見ることはできません。
しかし、見える情報が増えれば増えるほど、どの数字を指標に経営判断を行えばいいかわかりにくくなることもあるでしょう。そうした悩みを減らすために、必要な業務指標を提供する仕組みを備えています。これは、業務改善に役立つ指標の見方をアドバイスします。
SAPの2つ目の強みは「経験」です。SAPのソリューションは現在、世界3万6千社以上で使われています。過去の実績の中から、他社でも使えるノウハウを次々に製品に取り入れてきました。SAPを導入するということは、これまでに蓄積された経験を生かすことです。最近は中堅中小企業でもグローバル化が課題になっていますが、そうした場合にもグローバルな経験が詰まっているSAPのソリューションは力になるはずです。
3つ目の強みは「タイム&コスト」です。SAPが提供するのはパッケージソフトですから、1週間で稼動させることも、決して非現実的ではありません。要件定義と導入のための教育を含めた導入プロジェクト全体を考えても、1年未満で完結します。独自開発の業務アプリは実際に出来上がってくるまでは最終形が見えませんが、SAPならすぐに動かして完成形をチェックできますので、失敗がありません。
4つ目には、カテゴリ化しづらい強みを「その他」として紹介させてください。たとえば中堅企業の18%が関心を持っている内部統制に関しても、SAPの導入で対応も可能です。例えば、データの更新履歴だけではなく、システムの変更履歴も残ります。従業員のみなさんはシステムを信頼してデータを入力しますが、そのシステム自体が間違っていたら決算も間違ってしまいます。そうした場合にも、システムを誰がいつどのように変更したのかがわかる仕組みが、mySAP ERPにはあります。
─―どのような中堅・中小企業が成功するのでしょうか?
業務の効率化や経営情報の共有を行いたい、そのうえで意思決定を早めたい。あるいは在庫を減らしたい、売掛金をきちんと回収したい、キャッシュフローをきちんと見極めたいなど、明確な課題を持っているお客様はSAPの導入で成功します。
とはいっても、SAPを入れたからすぐによくなる、SAPを入れたら明日から在庫が半分になるなんてことはありません。SAPを使えば「こういうやりかたがあるのか」と、他社から学ぶことができるのです。
同時に、リアルタイムで自分たちが見えます。そうすると次にしなければならないことが見えてきて、自分たちを変えていけるのです。自分たちを変えていくために、SAPの「リアルタイム」と「経験」は大きく役立つはずです。
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