- 2025/04/30 掲載
25年の原油価格、大幅下落=トランプ関税で世界景気悪化―世銀
【ワシントン時事】世界銀行は29日に発表した最新の商品市場見通しで、トランプ米政権の高関税政策の影響による世界的な景気鈍化で、2025年の原油価格が英国産北海ブレント先物で平均1バレル=64ドルと、前年比20.7%の大幅安になると予想した。非鉄金属など他の資源も総じて値下がりし、商品価格全体の指数は26年に、6年ぶりの低水準に落ち込むと見込んだ。
世銀は、商品価格安が貿易摩擦による「短期的なインフレリスクを緩和する可能性がある」と指摘。一方、3分の2が資源輸出国である途上国の経済は打撃を受けるとの懸念を示した。
原油価格を巡っては、景気悪化による消費の鈍化や、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の供給増が相場を圧迫する。
世銀は「商品価格見通しには下振れリスクがある」と警告。貿易摩擦激化や金利上昇などによって景気が一段と悪化すれば、25年のブレントは59ドルに落ち込むと予想した。
商品価格全体の指数は25年、原油安に圧迫される形で前年比12.4%低下の見通し。26年も4.8%の低下を見込む。
【時事通信社】
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