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- 2023/04/28 掲載
アップルがインドで初の店舗開設、クックCEOも電撃訪問の「真の狙い」とは?
アップル、インドで初の店舗開設へ
アップルがインドで初の店舗を開設した。同社はサプライチェーンの分散化に注力しており、特にインド市場への傾倒が顕著になっていたところ。今回の店舗開設の動きは、iPhoneの販売と製造において、インドの重要性が益々高まっていることを示すものだ。店舗開設にあたり、同社ティム・クックCEOが開設イベントに参加したことからも、同イベントの重要度を測ることができる。クックCEOが前回インドを訪れたのは2016年で、今回の訪問は実に7年ぶりとなる。
これまでインドにおけるアップル製品の販売は、2020年に開設されたオンラインストアを介して行われてきた。アップルがこのタイミングで店舗を開設する背景には、インドのリテール市場におけるラグジュアリープロダクト需要の急速な高まりがある。
この流れはスマートフォン市場でも如実に反映されるようになってきているのだ。
カウンターポイントリサーチによると、インド市場における2022年のiPhone出荷台数は前年比16%増加し、アップルはスマホ市場のプレミアムセグメント(365ドル以上)とウルトラプレミアムセグメントで首位を獲得した。
また2022年10~12月期の出荷価格でもアップルは市場トップとなっており、カウンターポイントリサーチは、同社にとってインドの存在感が高まっていると指摘している。
カウンターポイントリサーチが示すインド市場におけるアップルの好調ぶりは、四半期決算でも確認できる。2022年10~12月期には、インドにおけるiPhoneの売上高が過去最高を記録、またiPhoneユーザー数の増加率も「二桁」に高まったことが報告されているのだ。これを受け、クックCEOも2023年2月に実施した投資家向け会議で「インドに非常に強気だ(I’m very bullish on India)」と発言、またインドに「大量のエネルギーを投入している(putting a significant amount of energy)」と強調したと報じられている。
販売だけでなく、製造面でもインドに注力
インド市場は、アップルにとってiPhoneの販売だけでなく、製造拠点としても重要度が高まっている。インドでは2017年にiPhoneの製造が開始されたが、製造されていたのは、フラッグシップではなく、製造が比較的簡易なモデルだった。しかし2022年、フラッグシップとなるiPhone14の製造が開始され、製造能力も今後さらに拡大することが計画されているのだ。初回ローンチに近い時期に、フラッグシップモデルが製造されるのは、インドでは初の出来事で、多くのメディアで注目された。
iPhoneに関しては、その大半が中国で製造されている。しかし、今後インドの製造シェアは急速に高まる公算が高まっている。
2023年1月インドのピユーシュ・ゴワル商務産業大臣は、同国のiPhone製造シェアが現在全体の5~7%ほどであるとした上で、アップルがこのシェアを25%に高めることを目標としていると発言したのだ。
昨年のコロナ騒動でアップルの製造を請け負う台湾Foxccon(ホンハイ)が中国鄭州で運営する世界最大のiPhone工場で、労働者の抗議により生産が停止したことがインドシフトの加速につながったとみられている。 【次ページ】アップルの目論見、インド以外での分散化
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