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皆さんはビジネスの現場において、「データ活用」や「データ分析」という単語を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。近年、デジタル化が進むにあたり、データを駆使した業務を行う機会は以前より断然多くなっていると言えます。しかし、これまでのキャリアでデータ分析に触れてこなかった管理職の方は「そもそも何から手をつければいいかわからない」と悩むこともあるでしょう。そんな皆さまを対象に、データ分析や活用を始めるための基本をわかりやすく解説します。
「データ活用」と「データ分析」の違いとは
業務のデジタル化が進む現在、誰もがデータ活用・データ分析の必要性を感じていますが、何を・どう始めれば良いかわからないために、とりあえずデータ蓄積・とりあえずデータ分析・とりあえずBIツール導入を推進しているケースが散見されます。
このような、とりあえずのデータ活用はビジネスの成果につながりません。何を・どうすれば良いのかをイメージできていること、最も大切なポイントを理解していることが、その後の適切なデータ活用や効率的なスキルアップにつながっていきます。そのため、連載初回の本記事では、ビジネスの成果につながるデータ活用の基本的な流れをお伝えします。
なお、データ活用・データ分析という言葉の定義もさまざまですが、本連載では、「データ活用=データを用いて、ビジネスの問題解決を行う活動全般」という意味合いとして定義し、「データ分析=データ活用の中で、実際に数字やデータを集計・解析・解釈を行う実務作業」として定義することとします。
管理職の皆さんはレビュアーとしてデータ活用する機会は多いと思いますが、自分自身がデータ分析実務をする機会は少なかったかもしれません。しかし、秘匿性が高い内容など管理職しかアクセスできないデータも多々ありますし、データドリブン時代においては、最低限のデータ分析実務スキルは必須です。
本連載では、データ活用・データ分析をバランスよく触れていきたいと思っています。
ただ「分析」するだけでは、正しくない?
まずは下の図1から見ていきましょう。こちらの図は、データ活用の基本的な流れについて示したものです。
ビジネスは問題だらけですから、皆さんの業務も何かしらの問題を解決する(あるいは問題が起こらないよう対処する)ために行っているはずです。問題が発生したら、問題解決にむけてデータを集め、集計してデータを数値化。必要に応じて回帰分析・多変量解析などやや高度な分析を行い、その結果を解釈する。解釈の結果、良い発見や示唆が見つかればOK。良いデータ活用ができた…!
データ活用、あるいはデータ分析の流れを、このように認識している方はいないでしょうか?
図1に記載しているように、データ活用の最終的な目的は「ビジネスの問題解決」です。問題解決のためには「新しいアクション」を実行しなければなりません。データから良い発見・示唆を得られたとしても、新しいアクションが実行されなければ、問題解決につながらなければ、データ活用としては不十分なのです。
そこで重要になるのが、「データ活用企画」です。データ活用企画とはざっくり言うと、「ビジネスの問題解決に向けて、データをどのように活用し、どのようなアクションにつなげるのかを整理した計画」です。
数万件の顧客情報を保有していても、そのデータから問題解決につながるアクションや意思決定を導きだせなければ、データの価値は小さいといえます。価値あるデータを蓄積するためにも、今あるデータを有効活用するためにも、データ活用企画は非常に重要となります。
それでは、データ活用企画の中身とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
【次ページ】データ活用企画で考えるべき「8つ」のポイント
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