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【世界】年50%成長、2030年には200兆円超え?
メタバースはすでに、ソーシャルネットワーキングやオンラインビデオゲーム、ライブエンターテイメントの分野で広く普及しています。消費者向けアプリケーションにおいて
XR(AR〈拡張現実〉/VR〈仮想現実〉/
MR〈複合現実〉)デバイスの使用が増えると、メタバース市場はさらに成長するでしょう。
さらに、特に日本や中国、米国、ドイツ、韓国などの国々で、さまざまなアプリケーションにおける新しいXR技術の採用が増加しており、これは市場の成長を促進させるもう1つの要因です。
MarketsandMarkets社は、メタバース市場が2022年に618億米ドル(約8.4兆円)、2027年には4,269億米ドル(約58.2兆円)に達し、この間、年平均成長率(CAGR)は47.2%に上ると予測しています(図1)。
市場はまだ初期段階であり、今後10年にわたって大きな可能性を秘めています。こうした中、企業はエコシステムをサポートするために、メタバースのソリューションとサービスに多額の投資を行っています。XR、クラウドゲーム、ソーシャルメディアのAI、AR/VRハードウェアおよび周辺機器などの周辺市場において、メタバース市場は新しい収益をもたらす可能性があります。
MarketsandMarkets社では、メタバース市場がCAGR約50%で拡大し、2030年までに1兆6,000億米ドル(約218.3兆円)から1兆7,000億米ドル(約232.0兆円)に達すると予測しています。
メタバース市場の分類:3つのサービス
メタバース市場はソフトウェア、ハードウェア、プロフェッショナルサービスの3つに分類することができます(図2)。
現在、メタバース市場のハードウェア分野での成長は限定的です。ただし、XRハードウェアデバイスの世界的な採用の増加により、2022年から2027年にかけてCAGR59.8%の高い率で成長すると予想されています。またソフトウェアソリューションの普及と既存のハードウェアデバイスとの互換性が高まることで、この期間における市場のソフトウェア分野の成長が促進されると予想されています。
メタバース市場の分類:4つのデバイス
メタバース市場は、ハードウェアにおいて、ARデバイス、VRデバイス、MRデバイス、およびディスプレイの4つのカテゴリに分類されます(図3)。
ARデバイスは、今後数年間において大規模な発展が見込まれる各種のARプロジェクトを通じ、グローバルな採用が増加すると予想されています。最近では、多くの企業がARのプロトタイプを実験しています。
たとえば、スウェーデンのIKEA(イケア)や米ウォルマートなどの企業は、顧客のショッピング体験を強化するために、すでにARアプリケーションを提供しています。
メタバース市場の分類:5つの産業分野
メタバース市場を産業分野別に分類すると、消費者向け(ゲーム、ソーシャルメディア、ライブエンターテイメント、イベントアプリケーション)、商用(小売・eコマース、旅行・観光、不動産、教育、企業)、工業製造、ヘルスケア、およびその他(自動車、航空宇宙・防衛、エネルギー・公益事業、運輸・物流)に分類することができます(図4)。
消費者セクターは、2022年のメタバース市場で最大のシェアを占め、2027年まで引き続き最大の市場規模を維持すると予想されています。AR技術は、まるで現実の世界のような3Dのビジュアル物体を作りだします。
好調なゲーム、スポーツ、エンターテイメント分野は消費者向けアプリケーション用のARデバイスの成長を後押しし、VR技術はゲームやスポーツ放送の利用シーンにおいて優れた視覚効果をもたらします。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、消費者向けのゲームやスポーツ、エンターテイメント分野において大きな需要があります。
スポーツ(格闘ゲームなど)におけるスマートグラスとしてのヘッドマウントディスプレイも増えているほか、スポーツ中継やSNSの情報収集などのエンターテインメント分野ではユーザー体験を高めるVRアプリ開発の需要が高まっています。
4つの産業分野別で見る「新たなユーザー」
■消費者向け
メタバース市場の消費者セグメントは、ゲーム、ソーシャルメディア、スポーツ、ライブエンターテイメント、コンサート、およびその他の分野から構成され、その中には博物館、テーマパーク、アートギャラリー、展示会など、さまざまなエンターテイメント向けアプリケーションがあります。XR技術を使用すると、ゲームやスポーツ放送はメタバースによって驚くべき視覚効果を提供することができます。
ビデオゲーム業界は、XR技術を最も早期に取り入れたユーザーですが、VRやARゲームを開発するために、さまざまなツールとフレームワークを採用しています。一部のゲーム開発者は、インタラクティブな3Dメディア体験と、ゲームへの優れた参加効果を作り出し、プレイヤーがまったく異なる現実世界に飛び込むことを可能にしました。
VR/MRヘッドセットは絶え間なく進歩しており、プレイヤーはさまざまな製品から選ぶことが可能です。現在入手可能なヘッドマウントディスプレイとして、たとえば、Oculus Rift S、Oculus Quest、Sony PS VR、HTC VIVE Cosmosなどがあります。
ゲーム業界では、今後登場する高機能なヘッドセットのレベルに合わせて、多くのVRおよびMRゲームのリリースが期待されています。ヘッドマウントディスプレイ以外にも、ゲームコンソール、コントローラー、トラッカー、シューズなど、さまざまなVRデバイスが利用され、プレイヤーのゲーム体験を向上させています。
【次ページ】日本市場は? もう3つの新ユーザーは? 周辺市場や展望もまとめて解説
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