フリーライター 井上 猛雄
1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。
トラックやバンをはじめとする「商用車」において一番重要なことは、いかに問題なく走行できるかということだろう。これを解決するには2つのアプローチがある。1つはトラブル・故障・不具合を即時に把握すること。もう1つは問題が起きる前に予測メンテナンスを行うことだ。前者は、いわゆるテレマティクス技術で解決できる。しかし、後者は依然として十分な解決方法が見出されていない課題だ。いすゞ自動車 データ活用推進部 前園 昇氏は「部品の寿命予測がない限り、予測メンテナンスでの本格的なデータ活用は広がらない」とし、この問題を解決する新しい概念「MLE」(Machine Life Engineering)について提案した。
世界の中で最も人口の多いアジア太平洋地域は、破壊的なイノベーションの発信地となり、世界を変えていく可能性を秘めている。モバイルが普及し、インターネットで誰もがつながる時代。それは人からモノの世界へ、すなわちIoT(Internet of Things)の時代に移り、再び革新的な技術やサービスが生まれようとしている。中国SNS大手のRenren(人人網)の創業者でCEOのジョセフ・チェン氏、カカオトークの共同CEOであるイ・ソクウ氏、そしてグーグル アジア地域社長のカリム・テムサマニ氏と、いまアジアで破壊的なイノベーションに取り組む企業のトップが新経済連盟・NES2014で集まり、熱弁を奮った。
企業によるモバイルデバイスの利用や、Web技術を使ったシステムの増加によって、エンタープライズ向けITにおいて「HTML5」が注目されている。HTML5は、オープンなWeb標準規格として期待される一方で、これまではなかなか浸透してこなかったが、「エンタープライズでは今年がHTML5の元年になる」との声も聞かれるようになってきた。2月28日に開催された、エンタープライズに特化したWeb標準技術のカンファレンス「Enterprise x HTML5 Web Application Conference 2014」では、「HTML5はエンタープライズITにどのような影響を与えるのか?」「 どういう価値をもたらすのか?」という観点から、Web業界のキーパーソンらによるパネルディスカッションが開催された。
期待が高まる自動車の「自動運転」。その鍵を握るキーパーソンの一人が、独BWM出身で、次世代の自動車研究を行っているスタンフォード大学「CARS(Center for Automotive Research at Stanford)」のエグゼクティブ・ディレクターをつとめる、スヴェン・ベーカー(Sven A. Beiker)氏だ。「コネクテッド・カーEXPO」の基調講演に登壇した同氏は「自動運転の姿は、必ずしも我々が思い描いているようなモノにはならないかもしれない」と指摘する。期待と現実の狭間で揺れ動く自動運転の未来はどうなっていくのか、ベーカー氏が自動運転の実像と現実的な将来像について解説した。