• 2014/06/12 掲載

その電力は本当に必要か? ICT機器の消費電力を見える化し、大幅なコスト低減を

Interop Tokyo2014 ブース速報

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6月11日から幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo2014」。キャリアやエンタープライズ向けハイエンドスイッチ&コアルータ分野においてガリバー的な存在感を示すシスコシステムズのブースでは、メインとなるL2/L3機器の展示などに加えて、ユニークな企業向けエネルギーマネジメント・ソリューション「Cisco EnergyWise Management」のデモが行われていた。ここでは同社が提供する、ネットワーク消費電力の見える化&削減ソリューションについて詳しく紹介しよう。

電力消費の約25%を占めるICT機器の状況を把握し、大幅なコスト低減につなげる

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「Cisco EnergyWise Management」のデモブース。消費電力の「可視化」から「分析」「制御/削減」「検証」までの一連のエネルギー・ライフサイクルを効率よく回せる
 Cisco EnergyWise Managementは、ネットワークに接続された各種ICT機器の消費電力を可視化し、電力の一元管理を実現できる企業向けの統合エネルギー管理プラットフォームだ。もともと、このソリューションは米JouleX社が発売していたが、2013年7月にシスコシステムズが同社を買収し、新たなラインナップとして加わったものだ。

 なぜエネルギー管理が重要なのか? これは、もはや現在の日本では言うまでもないことだろう。東日本大震災以来、電力コストが上昇し、企業でも電力の積極的な削減が叫ばれるようになった。これまであまり意識していなかった電力の利用法を調べてみると、たとえば業務時間外に不要な機器が稼働し続けていたり、社員不在の休日でも機器の電源が落とされていないなど、無駄な使い方が散見されるケースも多いようだ。

 このところ国内では、建物全体のエネルギーを管理する「BEMS」(Building Energy Management System:ビル管理システム)が注目されている。冷暖房・換気、照明に関わるエネルギーの節約は効果的だ。しかし、それだけでは電力削減の目標には達しないこともある。企業にとって重要となるICT機器の消費エネルギーにもフォーカスしなければならない。ある調査によれば、企業のエネルギー消費のうち約25%がICT機器で占められており、それらのほとんどがしっかり管理されておらず、最大経費の要因の1つになっているそうだ。

 企業にとって大きな問題点は、実際に使用している電力量と、本当に必要な電力量が把握できていないことだ。もし必要な電力量を正確に可視化することができれば、おのずと削減可能なエネルギー・ギャップが見えて、コストも抑制できるようになる。とはいえ現状では、個々のICT機器の消費電力を全社的に把握できなかったり、電源管理のポリシーどおりに遵守されているかどうかを確認することも難しい。解決すべき点が多いのが実情だ。

 そこでシスコシステムズでは、これらの問題を解決するために、スイッチやルータを中心にネットワークに接続されたサーバ、PC、プリンタなどのあらゆるデバイスやシステムでの電力状況を正確に収集し、消費エネルギーの「可視化」から「分析」、「制御/削減」、「検証」までの一連のエネルギー・ライフサイクルを効率よく回せるソリューションを提供している。


エージェントレスで導入が容易なCisco EnergyWise Managementで

 では、Cisco EnergyWise Managementの具体的な特徴はどのようなものだろうか? まず大きなメリットとして挙げられるのが、エージェントレスであり、ネットワーク設定を変更する必要がない点だろう。またハードウェア・メーターが不要な点も導入時のハードルを大きく下げている。したがってソリューション導入に至るまでの期間が短く、コストも安く抑えられるわけだ。加えて、さまざまなベンダーに依存せず、多くのICT機器をターゲットとして消費電力を容易に管理できる点も見逃せないポイントだ。

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管理のターゲットとなる領域とICT機器。オフィス、データセンター、ファシリティまでの、あらゆるICT機器(PoE機器、Non-PoE機器、Non-IP機器)に対応できる

 Cisco EnergyWise Managementには、3種類の消費電力の測定法が用意されている。1つはプリンタ・PCモニタなど、各機器のカタログベースでの仕様から電力を算出するスタティックな手法だ。次にクライアントPCから取得するハードウェア設定と使用率から、それぞれの消費電力を算出するダイナミックな手法がある。さらにサーバやネットワーク機器の電力を実測するアクティブな手法があり、このアクティブな手法は実測値であるため、最も精度が高いということになる。

 Cisco EnergyWise Managementを導入することで、電力消費量の利用状況を正確に可視化できるようになる。分かりやすい約70種類ものレポーティングによって、電力キャパシティ・プランニングが行えたり、OPEX(運用コスト)も加味したICT機器の購買意志決定を促すことも可能だ。最適な電力キャパシティ・プランニングは、ポリシーベースで時間やイベントごとに細かく電力を管理することで実現することができる。たとえば夜間や土日・祝日に使わないIPフォンの電源を落とす、あるいはスリープさせるだけでも、約6割もの電力を削減できる場合があるという。

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約70種類ものビジュアルで分かりやすいレポートが用意される。曜日や時間ごとの消費電力や、稼働率の低いサーバの抽出、OPEXを加味したモデル比較による削減シミュレーションなども提示できる

 また、Cisco EnergyWise Managementならば、業務の相互の関連性を考慮した相関分析によって電力の削減も可能になる。業務時間内では仮想環境でシンクライアントがフルに利用されているが、業務時間外になれば利用率も大幅に減る。そこで利用の負荷に合わせて、電力供給を最適化すれば無駄も減るわけだ。このようにポリシーベースによるデバイスの電力コントロールや、利用状況と連動した仮想環境の効率的なコントロールなども、ICTを知り尽くしたシスコシステムズのソリューションの大きな強みといえるだろう。

8月15日までの特別キャンペーンを実施中! 専任コンサルが電力削減を指南

 実際に、Cisco EnergyWise Managementの導入効果は大きなコスト削減として目に見える形で現れている。たとえば国内の事例を挙げてみよう。大手運送業会社がオフィス1拠点(PCは2000台)に適用したところ、消費電力の26%、約180万円を削減できたという。また大手通信事業者でもオフィス2拠点(PCは5000台)で消費電力の25%、約450万円のコスト削減に成功したそうだ。

 消費電力の低減は、企業にとって無駄なコストを抑えて収益構造を改善するだけでなく、サステナビリティ(持続可能性)やグリーンITによるCO2削減など、社会的な貢献にも大きく寄与するものだ。もし、ご興味のある方は、ぜひ開催中のInterop Tokyo2014 シスコブース(6C22)に足を運んでみてはいかがだろうか? 実際のデモとビジュアルライクで分かりやすいレポーティングを確認できるだろう。

 なお同社では、2014年6月16日から2014年8月15日の3か月間、Cisco Energy Wiseに関する特別キャンペーンを実施するという。本キャンペーンでは、シスコシステムズの専任コンサルタントが、電力削減のためのクイックコンサルティングサービスを無償で実施してくれる。Cisco Energy Wiseを導入する前に、具体的にどの程度の削減効果が見込まれるのか把握できれば、社内導入への理解がより深まるだろう。



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