対外経済貿易大学 国際経済研究員 教授 西村 友作
対外経済貿易大学 国際経済研究員 教授。專門は中国経済・金融。2002年より北京在住。2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士号を取得し、同大学で日本人初の専任講師として採用される。同大副教授を経て、2018年より現職。日本銀行北京事務所の客員研究員も務める。
中国の決済市場では、アリババの「支付宝:Alipay」(アリペイ)とテンセントの「微信支付:WeChat Pay」(ウィーチャットペイ)という2つのサービスが覇を競っている。中国の調査会社が公表したレポートによると、2018年第4四半期におけるモバイル決済のシェアはアリペイが53.8%、ウィーチャットペイが38.9%となっている。しかしそのサービス開始時期はアリペイが2004年、ウィーチャットペイが2013年と、実は9年の開きがある。後発のウィーチャットペイはどのような戦略をとり、わずか5年でアリペイと肩を並べたのか。『キャッシュレス国家 「中国新経済」の光と影』を書いた西村友作氏が、チャットアプリ「微信:WeChat」(ウィーチャット)の普及に触れた上で、その戦略に迫る。