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  • 2016/10/25 掲載

AIを駆使したCOBOL資産マイグレーション最前線、注目すべき4つのポイントとは?

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AIのビジネス活用が本格化し、レガシーシステムのマイグレーションにもその波が押し寄せている。時代のニーズに合った、最新のテクノロジーを用いた基幹システムのマイグレーションとはどのようなものか。マイグレーションの工程でのAIの採用や、移行後のシステムの可読性やメンテナンス性を高める「超高速開発」など、最新動向や今後の展望について紹介する。

AIと使いやすいツールでCOBOL資産継承に取り組む

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東京システムハウス
代表取締役社長
林 知之氏
 1995年から「MMS(メインフレーム・マイグレーション・サービス)」に取り組んできた東京システムハウスは、企業のIT資産を時代に合わせて活用し、未来に継承することをミッションとしてきた。

 「MMSフォーラム 2016」に登壇した東京システムハウス 代表取締役社長の林 知之氏は「この20年でITを取り巻く環境も変わってきた」と述べた。

 林氏によると、国が主導してIoTやAIの推進に取り組んでおり、「10月に開幕したCEATECも、例年以上の盛り上がりを見せ、注目度の高さを改めて感じている」という。

 こうした状況を受け、林氏は「今後も、IoTやAIといった新たなテクノロジーを生かし、使いやすい開発ツールの導入などでCOBOL資産の継承に取り組んで行きたい」と抱負を述べた。

アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグルのディープラーニング活用最新動向

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Skymind, Inc.
Deep Learning Engineer
サミュエル・オーデ氏
 続いて登壇したSkymind, Inc. Deep Learning Engineerのサミュエル・オーデ氏は、注目を浴びる産業界でのディープラーニング(深層学習)の現状や最新トレンドについて語った。

 ディープラーニングは、機械学習の一領域で、機械学習は入力データを解析し、その結果から反復パターンを見つけ、判断や予測に役立てる技術だ。

 オーデ氏によると、「関数を代替自動的に計算する」という機械学習のアルゴリズムには、誤差が生まれることがあり「従来のアルゴリズムはデータをたくさん処理しても精度が上がらない」という課題があった。

 これに対し、ディープラーニングは、データの特徴を学習して事象の認識や分類を行うもので、データが増えれば増えるほど精度が上がる。このため、これまでよりも効果的に検証ができるようになったという。

 そこで、冒頭のように産業界での活用が進んできているのだが、ディープラーニングの言語やフレームワークは、基本的にPythonが使用されている。

 しかし、多くの企業向けのシステムには長らくJavaが使用されており、産業界ではPythonエンジニアが少ない。つまりJavaの技術者がディープラーニングに取り組むためのツールが必要とされているのだ。

 Skymindでは、Javaをベースとしたディープラーニングに適応するためのツールや言語(「Deeplearning4j」「ND4J」「JavaCPP」)を提供しており、オーデ氏によると「実際にSkymindの技術を使って、アプリケーションを開発するスタートアップが各分野で立ち上がっている」ということだ。

「2013年から、機械学習全体で3000社くらいのスタートアップが立ち上がった。中でもディープラーニングの注目度が高い」(オーデ氏)

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ディープラーニング関連で数多くのスタートアップが起業している

 オーデ氏は、業界全体のディープラーニングの動向について紹介した。同氏によると「成長したスタートアップが大企業に吸収、合併される流れが進んでいる」という。

 たとえば、2016年1月にはアップルがEmotientという企業を買収した。これは、写真、表情で被写体の感情を検知でき、広告、テレビ、映画館、ビデオゲーム、客の反応を可視化する技術を持つ企業だ。

 2月には、マイクロソフトがSwiftKeyを買収した。この企業はスマホの画面をスワイプすることで単語入力が可能になるソフトを持っており、「ディープラーニングで変換予測の精度を上げる」という。

セールスフォースは、2月にJava技術でディープラーニングを実現するPredictionIOというスタートアップを買収した。4月にはMetaMindという画像認識のスタートアップを買収している。

 さらに4月、アマゾンがOrbeusを買収した。この企業は顔認識技術のスタートアップだ。画像を自動的にカテゴリ化し、この画像の人がどの動画に入っているか、など画像から動画を検索することも可能だ。

 6月以降も買収の動きは活発だ。マイクロソフトは、ディープラーニングの技術を用いたチャットボットのプラットフォームを提供するWand Labsを買収し、ツイッターは画像の圧縮、加工の技術を有するMagic Pony Technologyを買収した。

 7月には、グーグルがMoodstocksを買収した。この企業が持っているのは、かんたんに画像を検出できる技術で、モバイルでスニーカーの写真を撮って、そのモデルをすぐに検索することもできる。

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グーグルはモバイルを使ったリアルタイムの画像認識技術を提供するMoodstocksを買収した

 オーデ氏はこうしたトレンドを振り返り、「今後はディープラーニングをより使いやすくサポートするための技術が重要性になっていく」と総括した。

 そして、「レガシーシステムのマイグレーションにはコストがかかる。ディープラーニングを使い、スマートに、低コストでマイグレーションできないかを考えている」と締めくくった。

【次ページ】オープンイノベーションでMMSは進化する
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