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- 2014/06/12 掲載
商談成約のために実践すべきこと、営業力を高める10の秘訣とモバイル活用術
船井総研 斉藤 芳宜 氏
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営業力を挙げるためには押さえるべきポイントがある
「しっかりポイントを押さえないまま、やみくもにITシステムを使っても成果は上がりません」と語るのは、船井総研のチーフ経営コンサルタントである斉藤芳宜氏である。大手通信会社においてIT関連の新規事業を立ち上げるチームリーダーを経て船井総研に入社した斉藤氏は、そこでも1年8か月という異例のスピードでチームリーダーに就任した人物だ。現在、IT・ソフト開発会社を専門とし、特に即時業績アップにつながるコンサルティングを得意としている。
斉藤氏が語るところの、押さえるべきポイントとは、いかなるものだろうか。大塚商会が主催するプライベートセミナー「モバイルパワー2014」に登壇した同氏によると、営業活動で最も難しいのはクロージングであるという。たしかに、営業の途中プロセスをきめ細かくフォローしてくれるSFA/CRMはあるものの、商談成立にこぎ着ける「最後の一押し」については、営業マン個人に委ねられているのが現実だ。
船井総合研究所が、このクロージングまで含めた営業活動をどうやってサポートしているのかというと、「成功事例を数多く集めて共通項を発見し、再現性をもったルールとして整備し、幅広い支援先企業に横展開していく」というアプローチをとっている。そうした中から「さまざまな秘訣が見えてきました」と斉藤氏は言う。
商談を成約にこぎ着けるキラートークを伝授
「営業力を高める10の秘訣」として斉藤氏が挙げたのは、次のものである。- 営業とはリーダーシップである
- 雑談を通じて相手のことをほめることが大切
- 商談時の会話時間の比率は、自分が3割で顧客を7割に。こちらが話し過ぎると商談はうまくいかない
- 事前準備を入念に。相手先の課題を想像し、提案シナリオを作る
- モレなくヒアリングする
- 課題を深掘りし、真因を探る
- 機能を売るのではなく、あるべき姿(効果)を売る
- ROI(投資対効果)を常に意識する。経営者を納得させる上での必須事項であり、効果を定量的に示し、簡単に投資回収できるロジックを用意しておく
- 契約しない“理由”をつぶす
- 恐れずに失注を確定させる。成約率を20%と考えると、80%は失注である。つまり、ほとんどの案件は失注案件である。事実上、失注しているにもかかわらず、案件として抱えているのは意味がない。受注できそうな案件に注力すべき
なかでも特に重要と示唆したのが、(5)(6)(9)の3つのポイントだ。
まず顧客へのヒアリング方法であるが、これはBudget(予算)、Authority(決裁権者)、Needs(要件)、Time Frame(時期)、Competitor(競合)のいわゆる「BANTC」に基づいて行われる。たとえば予算について、「事前に把握できているのと、把握できていないのでは、まったく勝率が変わってきます」と斉藤氏は強調する。
もっとも、相手から予算を聞き出したくても、なかなか会話の糸口を掴むのが難しいのが実際ではないだろうか。そこで斉藤氏は、こんなトークを伝授した。
今回のご予算のイメージはいくらくらいですか?言える範囲でけっこうですので教えていただけませんか。私どもとしては、お客さまに最適な提案をさせていただきたいのですが、予算のズレが大きいと良い提案ができないので、必ずお聞きするようにしているのです
また、決裁権者を聞き出す際には、次のように切り出せばよい。
今回の件は、最終的にはどなたが判断されるのですか?
次の「真因を探る」ことが重要なのは、表面的な現象だけを見ていても、課題は見えてこないためである。
「お客さまにどうなりたいかを聞いた上で、『現状はどうなのですか?』『なぜ、それを実現できていないのですか?(=課題)』『なぜ、そのような状態になっていると思いますか?(=課題の原因)』と次々に深掘りしていくことで、真因を探っていきます」と斉藤氏は語る。こうして明らかになった「必現したいこと」と「現状」のギャップを埋める解決策こそが、相手に売るべき真の商品である「効果」となるわけだ。
そして、商談をスムーズに成功にこぎ着けるための、まさに核心ポイントとなるのが、「契約しない理由をつぶす」ことなのである。そのために斉藤氏が紹介したのが、次のようなキラートークである。
「仮に契約するとしたら、何か問題がありますか?」と聞き出し、それに対する解決策を提示する。さらに、「他に何か問題はありますか?」と、問題がなくなるまでこの質問を繰り返す。
そして、あらゆる問題が出尽くしたところで、「では、問題ないですね。やりましょうか」と締め括るのである。「契約しない理由がなくなることは、すなわち成約であり、無理なクロージングは不要になります」と斉藤氏は語る。
モバイルでスキマ時間を徹底活用、リアルタイム営業会議へ移行すべき
ここまで紹介してきたポイントを、「モバイル環境でスキマ時間を徹底活用しながら実践することで、営業力は格段にアップします」というのが、斉藤氏の結論だ。具体的に実現したいテーマの1つが、リアルタイム営業会議への移行である。
毎週のように行っている集合形式の営業会議に、1時間以上を費やしている企業は少なくない。それにあわせて提出しなければならない報告書などの作成にかかる手間まで含めると、さらに数倍の時間が費やされていると思われる。このように営業マンに重い負担を強いているにも関わらず、売上アップにどの程度貢献しているのかは不明確だ。そもそも、営業会議で報告している商談の状況把握や阻害要因などへの対応は、週に一度といった頻度ではなく、「その場、その時点」で行うべきものである。
この非効率を解消するのが、リアルタイム営業会議なのだ。「モバイル環境を使って、マネージャーは各営業マンの進捗状況(課題、BANTC、契約しない理由など)を詳細に把握するとともに、リアルタイムにアドバイスします」と斉藤氏は語る。
また、一人の営業マンによる成功事例を、モバイル環境を使って、すぐに、その場で共有することも効果的である。ノウハウを横展開することで、チーム全員の営業力を底上げすることができるからだ。
もちろん、こうした全社的な取り組みを推進していく上で、経営トップ自身も「成功する考え方と行動」を磨き、高めていく必要がある。
- 成功する条件は、他人の意見をいきなり否定するのではなく、いったん受け止めて考える「素直さ」を持つこと、「プラス発想」をすること、「勉強好き」であることの3つ
- モデル事例から学び、真似る
- 常識を疑い、発想をチェンジする
- スピード、スピード、とにかくスピードが命
- 一人で業績は上げられない。上手に他人の力を借りる
斉藤氏は上記のようなポイントを示し、これらを実践することが「負けない会社のつくり方」につながっていくとアドバイスした。
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