- 2025/03/06 掲載
米経済活動は小幅に増加、不透明感も上昇=地区連銀報告
[5日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が5日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、全体的な経済活動は1月中旬以降、ばらつきはあるものの小幅に増加し、雇用はやや増え、物価は緩やかに上昇した。トランプ政権の政策が今後の成長や労働市場、物価に与える影響を巡って不透明感が高まる中でも企業や家計は楽観的な見方を維持した。
報告では経済活動に関して「6地区が変化なし、4地区が緩やかに成長、2地区がやや縮小を報告した」とし、「今後数カ月の経済活動に対する全体的な見通しはわずかに楽観的だ」と記した。
2月24日までの情報を基に作成した今回の報告で、不透明感に関する言及は47カ所と、1月の前回報告での17カ所から増加。関税への言及は倍増した。
トランプ米大統領は今月4日、メキシコとカナダからの輸入品の大半に25%の関税を課し、中国製品への追加関税を20%とした。カナダと中国は米製品への関税で報復するとし、メキシコのシェインバウム大統領も対抗措置を取ると表明した。
米政権は5日、米・メキシコ・カナダの貿易協定を通じて輸入される自動車は1カ月関税免除になると発表。ただ、市場では、新たな関税はインフレ加速と成長鈍化につながる可能性があるとの見方もある。
連銀報告では、インフレ見通しの高まりや企業活動の減速、製造業の新規受注減や原材料の値上がりが示されている。
FRBは3月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、現行の政策金利4.25─4.50%を据え置く方針を示唆している。FRBの目標2%に向けて徐々に鈍化してきたインフレを抑制する意向で、労働市場は健全に推移しており、利下げによる支援は必要ないとみている。関税措置のほか、減税や移民対策、連邦政府の雇用や歳出の削減など、トランプ政権の政策が今後数カ月、経済に与える影響を見極めたい考えだ。
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