- 2025/01/14 掲載
NY市場サマリー(13日)ドル上昇、10年債利回り14カ月ぶり高水準 株まちまち
主要通貨に対するドル指数は0.26%高の109.94となった。序盤には一時、110.17と2年余りぶりの高値まで急上昇する場面もあった。
米労働省が10日発表した2024年12月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が25万6000人増加し、市場予想の16万人増を上回ったほか、失業率が4.1%と、前月の4.2%から低下したこと受け、FRBによる年内の利下げ観測は大幅に後退した。
15日には消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、CPIが予想を上回る伸びとなれば、今後の利下げの可能性は一段と低下するとみられる。
メシロウ・カレンシー・マネジメント(シカゴ)のシニア投資ストラテジスト、ユウト・シノハラ氏は「現在、市場は年内の利下げはわずか1回強との見方を織り込んでいることから、CPIへの反応は比較的限定的になる公算が大きい」と指摘。より重要な関門は今月20日のトランプ次期米大統領の就任式であり、関税引き上げが実際に実行されるのか、それとも単なる交渉上の駆け引きだったかが、これ以降に明らかとなると述べた。
ドル/円は0.03%安の157.77円となった。
ユーロは対ドルで0.4%安の1.0208ドル。一時、2022年11月以来の対ドル安値を付けた。
英ポンドは0.24%安の1.2167ドル。一時、14カ月ぶりの安値に沈んだ。
豪ドルは一時、20年4月以来の安値まで下落した後、下げ幅を縮小し、終盤では0.13%高の0.615米ドル。
ニュージーランド(NZ)ドル/米ドルは0.07%高の0.5559米ドルとなった。
オフショア取引でドルは対中国人民元で0.12%安の、1ドル=7.3533元。
中国人民銀行(中央銀行)が10日、国債の供給不足を理由に国債の購入を一時的に停止したとの発表を受け、国債利回りが急上昇した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 不安定な取引の中、国債利回りが一時14カ月ぶりの高水準まで上昇した。労働市場の好調さと根強いインフレの組み合わせにより、FRBが今年、金融緩和サイクルを一時停止せざるを得なくなるとの見方が背景にある。また、トランプ次期政権の関税や減税、移民政策に対する不透明感も重しとなった。
この日は日本の祝日で取引量が通常より少なかったため、値動きがやや荒くなった可能性もある。日本は米国以外で最大の米国債保有国。
指標となる10年債利回りは一時4.799%まで上昇し、2023年11月以来の高水準となった。終盤は2.2ベーシスポイント(bp)上昇の4.796%。 米国の金利見通し期待に敏感に反応する2年債利回りは4.398%でほぼ変わらずとなった。序盤には7月以来の高水準となる4.426%まで上昇していた。
イールドカーブはスティープ化し、2年債と10年債の利回り格差は47.7bpに達した。これは22年5月以来の水準となる。終盤は39.6bpだった。 LSEGの推定によると、米金利先物市場では、今年中に金利が27bp引き下げられるとみられている。これは利下げ1回を織り込んでいることを意味し、その時期は9月か10月になる可能性が高いという。 これは、FRBが2025年の金利見通しとして示している「ドット・プロット」とは大きくかけ離れた予測となる。
30年債の利回りは1.3bp上昇し4.977%となった。
投資家の注目は今週発表される米国の消費者物価指数(CPI)と小売売上高に集まっている。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国債利回りが高止まりする中、ナスダック総合が下落した。一方、S&P総合500種は2カ月ぶり安値から反発した。
ダウ工業株30種平均も反発。ユナイテッドヘルス・グループの上げが同指数を押し上げた。
最近の経済指標は、米経済の底堅さを示唆しており、株価を圧迫している。FRB当局者の発言により、債券利回りは上昇した。S&P総合500種は過去5週間のうち4週間、週間ベースで下落した。
トランプ次期米大統領が表明している関税もインフレに対する懸念を高めている。
ユナイテッドヘルスは3.93%上昇した。バイデン政権が2026年の政府から保険会社への支払額を増やす案を発表したことを受けた。
S&P500ヘルスケアセクター指数は1.27%上昇。CVSヘルスとヒューマナは約7%上昇した。
南カリフォルニアの公益事業会社エジソン・インターナショナルは約12%下落。カリフォルニア州ロサンゼルス近郊でなお猛威を振るっている山火事を巡り、同社の設備が引火したとして訴訟を起こされたとブルームバーグが報じたことを受けた。
エネルギー株が2.25%上昇し、S&Pの主要セクター中で上昇率が最大となった。ロシア原油に対する米国の制裁強化により、インドと中国の買い手が他の供給元に目を向けざるを得なくなるとの見方から原油価格が上昇していることが背景。
15日発表の米消費者物価指数(CPI)や地区連銀経済報告(ベージュブック)に注目が集まっている。
米政権による人工知能(AI)半導体の輸出規制強化を懸念し、エヌビディアは1.97%、マイクロンは4.31%、それぞれ下落した。
モデルナは16.8%安。25年の売上高予想を10億ドル引き下げたことを受けた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> FRBによる利下げ観測の後退を背景に、5営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前週末比36.40ドル(1.34%)安の1オンス=2678.60ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ロシア産原油の供給減少見通しを材料とした買いが膨らみ、3営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前週末比2.25ドル(2.94%)高の1バレル=78.82ドル。これは昨年8月中旬以来、約5カ月ぶりの高値水準。3月物は1.55ドル高の77.30ドルだった。
米政府は10日、ウクライナに侵攻するロシアの戦費調達を阻むため、同国の石油大手ガスプロムネフチ、スルグトネフテガスの2社に新たに制裁を科すほか、西側諸国の制裁を回避してロシア産原油の取引を続ける「影の船団」への取り締まりを強化すると発表した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 157.47/157.49
始値 157.30
高値 157.84
安値 156.92
ユーロ/ドル NY終値 1.0244/1.0246
始値 1.0196
高値 1.0247
安値 1.0189
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 92*24.00 4.9682%
前営業日終値 92*26.00 4.9640%
10年債(指標銘柄) 17時05分 95*25.50 4.7902%
前営業日終値 95*29.50 4.7740%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*31.00 4.6095%
前営業日終値 99*01.50 4.5920%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.50 4.3919%
前営業日終値 99*23.25 4.3960%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42297.12 +358.67 +0.86
前営業日終値 41938.45
ナスダック総合 19088.10 -73.53 -0.38
前営業日終値 19161.63
S&P総合500種 5836.22 +9.18 +0.16
前営業日終値 5827.04
COMEX金 2月限 2678.6 ‐36.4
前営業日終値 2715.0
COMEX銀 3月限 3030.9 ‐100.5
前営業日終値 3131.4
北海ブレント 3月限 81.01 +1.25
前営業日終値 79.76
米WTI先物 2月限 78.82 +2.25
前営業日終値 76.57
CRB商品指数 309.0184 +3.0518
前営業日終値 305.9666
関連コンテンツ
PR
PR
PR