- 2024/11/07 掲載
TOPIX採用企業の今期純利益0.4%増、夏場の円高が伸び抑制=SMBC日興集計
6日までの発表分(577社、開示率40.8%)に、今後発表する企業の従来予想を加味して試算した。SMBC日興証券株式調査部の安田光氏は、中間決算はポジティブサプライズが多い決算ではなかったとして「7―9月期に為替の円高が進んだことや、世界的な景況感の悪化が影響したのではないか」と話す。
6日までの開示分の集計では、前年比4.6%減。金融を除くと4.9%減となる。内訳は、製造業が同7.1%減、非製造業は同1.9%減。純利益ベースの会社予想で上方修正を発表したのは114社で、下方修正は76社だった。
製造業でマイナスの寄与が大きかった業種は輸送用機器、電気・ガス、その他製品など。輸送用機器は自動車の認証不正問題による生産停止や販売台数の減少が響いたほか、7―9月期は為替が円高方向に振れたタイミングで、利益が押し下げられたとみられている。
海運、医薬、機械などはプラスに寄与した。海運は中東情勢の緊迫化によりコンテナ船の運賃が高止まりしたことを受けた。機械は、生成AI(人工知能)向けの高性能半導体需要の増加がみられた。
米大統領選挙でトランプ前大統領が当選したことは、来期以降、日本企業の業績に影響を及ぼす可能性がある。「関税の強化や貿易政策の不確実性が高まることで貿易量の低下につながる恐れがあり、業種別では電気機器、機械、鉄鋼、輸送用機器、非鉄金属などに影響が出るのではないか」とSMBC日興証券の安田氏はみている。
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