- 2024/10/21 掲載
EU主要5カ国、化石燃料社用車に年420億ユーロ補助=調査
[21日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国のうち規模の大きい5カ国は、化石燃料で走行する社用車向けに支出している補助金が年間420億ユーロ(456億ドル)に上っていることが、21日公表された調査報告で明らかになった。社用車は欧州で販売される新車の60%程度を占めている。
調査は環境保護団体トランスポート・アンド・エンバイロメント(T&E)の依頼でコンサルタント会社エンバイロンメント・リソーシズ・マネジメント(ERM)が実施した。T&Eはこうした支出の代わりに電気自動車(EV)への補助金を増やすよう求めている。
年間の補助金額が最も大きかったのはイタリアの160億ユーロ。以下、ドイツ(137億ユーロ)、フランス(64億ユーロ)、ポーランド(61億ユーロ)だった。
企業は従業員への福利厚生として社用車を提供し、しばしば消費税や燃料代の肩代わりなどの形で補助を行っている。
価格の高いSUV(スポーツタイプ多目的車)向けに補助を行っているのは4カ国で、総額は約150億ユーロ。社用車のドライバーは年間で平均6800ユーロの税制優遇措置を受けており、汚染度の高い大型モデルでは最大2万1600ユーロの補助を受けていた。
欧州で社用車のドライバーにEVへの乗り換えを促す政策が導入されているのは、EUを離脱した英国だけだった。
T&E社用車部門のディレクター、ステフ・コーネリス氏は「全く非論理的で、絶対に受け入れられない。欧州委員会のグリーントランジション(低炭素社会への移行)政策に完全に矛盾する技術に、今なお納税者のお金が何十億ユーロも投入されている」と述べた。
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