- 2024/10/21 掲載
米ボーイング労組、会社側新提案巡り23日投票へ 承認との見方も
[19日 ロイター] - ストライキ中の米航空機大手ボーイングの工場で働く労働組合員は、4年間で計35%の賃上げを含めた会社側の新たな提案を受け入れるかどうかを23日に投票する。
シアトルの組合幹部2人はロイターに対し、確定給付型年金の復活を要求している高い年齢層の組合員からの反発は予想されるものの、組合員全体では会社側提案を受け入れるとの見方を示した。
ストを続けている国際機械工・航空機工労組(IAM)第751支部は、会社側提案には批准時の7000ドルの賞与、インセンティブ計画の復活、1回限りの5000ドルの拠出と最大12%の雇用者拠出を含む確定拠出年金(401k)への支出拡大が含まれていると説明した。
9月13日に始まったストを行っているのは米西海岸の工場で働く約3万3000人の組合員で、大半はワシントン州の工場に勤務する。このストによってボーイングの主力の小型機737MAX、中型機767、大型機777の生産が止まり、脆弱な同社の財務基盤を一段と圧迫している。
ボーイングは今月19日、会社側提案を巡って「従業員が投票することを楽しみにしている」とコメントした。
ただ、組合員は当初の会社側提案を圧倒的多数で否決しており、今回の提案が承認されるとの保証はない。
米商工会議所はXで、会社側と労組側の双方が合意に達し、ストを終わらせるようにと呼びかけた。ストの影響は業界全体に波及しており、ボーイングに部品を供給している米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズは従業員を一時帰休にすると発表した。
ボーイングのストは、11月5日の米大統領選の数日前に発表される10月の雇用統計に悪影響を及ぼすと予想されている。エコノミストらは、ストの影響で10月の非農業部門雇用者数を最大5万人分押し下げたと推定している。
ボーイングは11日、全世界の従業員の約10%に当たる1万7000人を削減し、50億ドルの費用を計上すると発表した。
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