• 2024/10/18 掲載

NY連銀の新指標RDE、短期市場流動性なお「潤沢」と示唆

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Michael S. Derby

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米ニューヨーク地区連銀が短期金融市場の流動性を探る新たな指標として17日に導入した「準備需要弾力性(RDE)」に基づくと、米連邦準備理事会(FRB)によるバランスシート圧縮の取り組み(量的引き締め=QT)早期打ち切りにつながるような差し迫った資金需給ひっ迫の兆候は見えないとの結果になった。

RDEは、銀行セクター全体の準備預金が不足する事態が近づいていることをFRB当局がいち早く察知する目的で策定された。

ニューヨーク連銀はブログで、RDEは準備預金残高が「潤沢(abundant)」から「十分(ample)」に移行するポイントを発見する上で役立つと説明した。具体的に目指す準備預金の水準は明らかにしなかったが、今月11日時点ではRDEが準備預金残高はなお「潤沢」だと示唆しているという。

現在のRDEはほぼゼロで、資金供給量の変化に対してフェデラルファンド(FF)金利が大きく反応していないことを意味する。RDEがマイナスになると、資金需給の引き締まりがうかがえる。

QTは過去2年超にわたって続いており、FRBの資産規模はピーク時の9兆ドルから足元で7兆1000億ドルまで減少した。FRBは、新型コロナウイルス禍に対応した金融政策を正常化する一環として不要な流動性を吸収しようとしている。

FRBは、FF金利を誘導目標圏内にしっかり収められるように、銀行システムに十分な流動性を維持することを望んでいる。一方で、流動性が枯渇して短期金利が不安定化する準備預金残高の具体的水準が明確でないという問題がある。

前回のQTでは2019年9月に予想外の資金不足に陥り、FRBが介入して流動性供給を再拡大せざるを得なくなった。FRBの当局者はこの出来事を肝に銘じている。

今年9月の連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる前の段階では、市場参加者が想定していたQT終了時期は来年春だった。

しかし、9月末に短期市場が一時的に混乱し、一部ではQT打ち切り時期が早まるのではないかとの観測が浮上。これに対してセントルイス地区連銀のムサレム総裁は今月7日、FF金利は適切にコントロールされていると強調し、直近のボラティリティー増大がQTの先行きにとって重大な問題ではないとの見方を示した。

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