- 2024/10/10 掲載
ドイツ、24年経済成長率見通しをマイナス0.2%へ下方修正
[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツ経済省は9日、2024年の経済成長率見通しを従来のプラス0.3%からマイナス0.2%へ下方修正した。国際通貨基金(IMF)の予測に基づくと、24年に主要7カ国(G7)で唯一2年連続のマイナス成長となる。下方修正は、24年後半に見込まれた経済回復が空振りに終わる可能性が高まったのが要因。
欧州最大の経済大国であるドイツの23年の国内総生産(GDP)は前年より0.3%減り、ユーロ圏の主要国やG7の中で最低だった。
ドイツ経済は24年第2・四半期にマイナス成長となり、2四半期連続のマイナス成長と定義される景気後退に陥ったことが懸念された。
経済省は、鉱工業生産や景況感といった指標が24年下半期も景気後退が続いていることを示唆していると指摘した。
ハーベック経済相は、構造的な問題と地政学的な課題が逆風となって18年以降は力強い経済成長が見られていないと言及。ドイツ経済はロシアからの安価な工業用エネルギーの輸入と、ドイツからの輸出品を受け入れる世界市場が機能していることが強みになっていたとして「ドイツの経済成長の半分は常に輸出がもたらしているが、世界の状況を見ればこの柱(の輸出)が打撃を受けていると言わざるを得ない」と訴えた。
ドイツ連邦統計庁が今月7日に発表した8月の鉱工業受注指数(季節・日数調整済み)は前月比5.8%低下と予想を大幅に下回り、産業界ではドイツの製造業が今後数カ月間にわたって回復しないという見方が強まっている。
輸出主導型の経済となっているドイツは、世界的な需要低迷と地政学の緊迫化が響いて23年の輸出が前年より0.3%減った。
ドイツ政府は24年の輸出も0.1%減ると予想している。
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