• 2024/09/24 掲載

米大幅利下げは正しい決定、労働市場軟化リスク踏まえ=FRB当局者

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Howard Schneider Ann Saphir

[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者3人は23日、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した50ベーシスポイント(bp)の大幅利下げについて、インフレがFRBの目標に向かい、労働市場軟化のリスクが高まる中、経済の健全なバランスを維持することが目的だったという見解を示した。

3当局者はさらに、現行の金融政策は経済に過度の圧力をかけており、より「中立的」な金利が適切な状況にあるという認識から、大幅利下げを支持したと述べた。

シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、インフレ率はピークから大幅に低下したとし、ここ数カ月はFRBが目標とする2%の範囲内に収まっていると指摘。FRBが担う2重の責務の双方を考慮する段階に戻ったことを示す区切りとして、最初の利下げ幅を50bpとしたことに満足しているとし、「経済のソフトランディングを望むなら、後手に回ってはならない」と述べた。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、インフレ率と失業率がほぼ正常な水準に戻っていることから、FRBも金融政策を「正常化」させる必要があると言及。一方、FRBは中立金利の達成に向けて「猛ダッシュ」しているわけではなく、「より忍耐強く対応することの方が重要だ」との考えを改めて示した。

さらに、米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は小論文で、先週の50bp利下げ決定はインフレの大幅な進展と失業率上昇のリスクを考慮して「正しい決断」だったと言明。「リスクのバランスは、インフレ率の上昇から労働市場の一段の鈍化リスクへシフトしており、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標の引き下げが正当化される」と述べた。

<市場の利下げ幅予想はほぼ二分>

FRBがインフレ指標として注目する個人消費支出(PCE)価格指数の前年比の伸びは今後も鈍化する見通しで、FRBが11月のFOMCで50bpの追加利下げに動くか、25bpに縮小するかが今後の焦点となる。

8月のPCE価格指数は今週27日に発表が予定される。

当局者の発言に対する金融市場の反応は控えめで、11月6─7日のFOMCでの25bpか50bpの利下げ幅を巡る市場の見方は依然としてほぼ二分されている。

また、この日の当局者の発言からは、FRBがどの程度速いペースで金利を中立的な水準に戻すべきか、その水準がどの程度であるべきかを巡り新たな議論が浮上している様子も示唆された。

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